映画「シカゴ」を観た感想<午前十時の映画祭11>

映画鑑賞の感想文

<午前十時の映画祭>

「一度、スクリーンで観たかった。もう一度、スクリーンで観たかった。」

午前十時の映画祭13 デジタルで甦る永遠の名作
午前十時の映画祭13 デジタルで甦る永遠の名作
  • 上映開始時間は<午前10時に限定せず>それぞれの劇場の判断で<午前中の上映開始>となります。
  • そのため、上映開始時間は劇場ごとに、また作品によっても異なります
  • また、鑑賞料金も各劇場が設定した料金となりますのでご了承ください。
  • ご鑑賞前に各劇場の公式サイトなどでご確認をお願いいたします。

私の住む街:栃木県では「ユナイテッド・シネマ アシコタウンあしかが」と「TOHOシネマズ宇都宮」の2ヶ所で上映している。

あらすじ

1920年代、ショービジネスと犯罪の街:シカゴ。

平凡な日常をくり返すロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)の憧れは、ナイトクラブの看板ダンサーで美しい女性ヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。

スターを夢見るロキシーは、ヴェルマのステージを羨望せんぼうの眼差しで見ていた。

ロキシーは、ナイトクラブのショーに売り込むとの約束を守らなかった愛人といさかいを起こし、感情的に彼を撃ち殺してしまう。

逮捕され留置所に送られたロキシーは、驚くことにあのヴェルマと出会った。

ヴェルマは、不倫した夫と妹を殺した罪に問われていた。

ヴェルマは賄賂わいろで看守モートンを抱きこみ、刑務所の中だというのに自由気ままな暮らしぶり。

しかも、金の亡者でありマスコミ操作にけた辣腕らつわん弁護士ビリー・フリンのおかげで、巷ではヴェルマはスター扱い。

ロキシーは同じ手段でヴェルマ以上の注目を浴びようと躍起やっきになる。

ロキシーは夫のエイモンに頼み込み、弁護士ビリーに弁護を依頼する。

ビリーはロキシーを悲劇のヒロインとして世間の同情をひくことに成功、ロキシーはスターになっていく。

キャスト

ブロードウェイの同名ミュージカルを斬新な映像表現を用いて見事に映画化した作品である。

キャッチコピーは「この街では、銃弾一発で有名になれる」

役名 俳優 役柄 人柄
ロキシー・ハート レニー・ゼルウィガー 歌手を夢見る自動車修理工の妻 浮気相手にだまされ殺害、刑務所に入れられる。裁判で注目を浴びるのを逆手にとり、スターになろうと目論む。
ヴェルマ・ケリー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ 元ナイトクラブの看板ダンサー 妹とコンビで活躍していたが、夫と妹の浮気現場に遭遇し2人を殺害、刑務所に入れられた。殺人の経歴を生かしてショービズ界への返り咲きをもくろんでいる。プライドが高い。
ビリー・フリン リチャード・ギア 女性囚の弁護では負け無しの敏腕弁護士 高額の弁護料で有名。巧みな話術で周りをだまし、無罪を勝ち取るのが得意。
メイトロン・“ママ”・モートン クィーン・ラティファ 女性刑務所の看守長 金さえ渡せば、囚人たちにもいろいろと便宜を図ってくれる。
エイモス ジョン・C・ライリー ロキシーの夫(自動車修理工) 自分の事を「(透明な)セロファン」と歌うほど、ビリーからもロキシーからもないがしろにされている。それでもロキシーのために奔走する、悲しき男。

演出

もっと私を見て!

自己顕示欲の化身のような女性2人の映画。

ものすごく面白かった!

彼女たちの身に起きた出来事をSHOWに変換して『魅せる』という演出、本当に素晴らしかった!

銃で撃った時の血しぶきを赤いハンカチーフで表現している、素晴らしいアイデア。

絞首刑のシーンのアイデアも素晴らしかった。

あらゆるシーンで「出来事」を「アイデアを駆使して別の表現」として魅せている。

このアイデアが本当に素晴らしい。

悲劇」を「喜劇」に魅せる演出、素晴らしい。

リチャード・ギアの演技、堺正章さんを思わせる多才な見せ場、素晴らしかった。

裁判で窮地におちいったリチャード・ギア、ミスは許されないという緊張感、瞬時に機転を利かせて話を盛り上げて窮地を乗り切る爽快感、共にダンスで魅せる。

とても惹き込まれた。

映像というアトラクションを体験しているようだった。

あと、リチャード・ギアの初登場シーン、彼のニコッとした笑顔がたまらなく可愛かった。

ロキシー

ロキシー役のレネー・ゼルウィガー。

まさにマリリン・モンロー。

口紅の引き方などのメイクやヘアースタイルにこだわっていて、とても似ていた。

ロキシーは「女性が持つ弱さ」を前面に出してそれを武器と魅力に変える人物。

計算した上でちょっとアホっぽい話し方をしたり、「私って…とっても可哀想なの…」あざとく弱さを演出する、ある意味キレる人物。

あらゆる場面ごとに「自分」を使い分けるあたりは『女は女優』の言葉がしっくりくる。

レネー・ゼルウィガーの素晴らしい演技力、ピッタリの配役だと思った。

ヴェルマ

ヴェルマ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。

まれに見る『人中じんちゅう(鼻の下のくぼみ)の堀りの深さ』。

外国人さんには、なかなか居ないと思う。

彼女以外のキャストは、人中の掘りが目立たなかった。

ヴェルマは「女性が持つ強さ」を前面に出したメイク、とても魅力的だった。

強さを主張したハッキリ・くっきりとしたアイメイク、あえてふっくらとさせない口紅の引き方、ロキシーのメイクとは全く違う。

タバコをたしなむシーンも下品にならずに、COOLでカッコ良い。

悲しみを微塵も見せず、どんな逆境も乗り越える、アスリートのような強さを持つカッコイイ女性。

2人の女性

ロキシーは、弱さや滑らかさ、曲線的な柔らかさなどの女性的な魅力を。

ダンスも艶やかで女性的エロスを出して、愛と性の情熱

対してヴェルマは、強さや正確さ、直線的な強固さなどタフな男性に近い魅力

ダンスは、迫力と力強さ、競技のようなキビキビとした動き、目線と表情を駆使して力強さを出し、魂を燃やすような情熱

同じダンスでも全く違う。

正反対の2人、違いが魅せる2人の人生。

同じだけど全く違う

最後のSHOWは、同じ動きなのに全く違う魅せ方をする。

2人の女性が持つ独特の魅力と魅せ方。

この映画から得られたもの(下記に)は、とても貴重で宝物だ。

気付けた事に感謝!

最後に

人生は SHOW だ。

誰もが主役の壮大なる SHOW 。

どんな出来事も、私の、あなたの人生を鮮やかに彩る要素。

The show must go on.

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