映画「ゴッドファーザー」を観た感想<午前十時の映画祭12>

映画鑑賞の感想文

<午前十時の映画祭>

「一度、スクリーンで観たかった。もう一度、スクリーンで観たかった。」

午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作
午前十時の映画祭14 デジタルで甦る永遠の名作

4月1日~3月30日を1年として、2週間代わりで素晴らしい名作映画を公開しているこの企画。

作品によっては「1週間限定公開」もあるので御注意を。

午前10時とあるが、作品によっては10時より前に上映することもあるので、上映映画館のスケジュール確認は必須。

  • 上映開始時間は<午前10時に限定せず>それぞれの劇場の判断で<午前中の上映開始>となります。
  • そのため、上映開始時間は劇場ごとに、また作品によっても異なります
  • また、鑑賞料金も各劇場が設定した料金となりますのでご了承ください。
  • ご鑑賞前に各劇場の公式サイトなどでご確認をお願いいたします。

私の住む街:栃木県では「ユナイテッド・シネマ アシコタウンあしかが」と「TOHOシネマズ宇都宮」の2ヶ所で上映している。

午前十時の映画祭 12

2022年度、最初の映画は【ゴッドファーザー】

しかも、4月のラインナップは『ゴッドファーザー三部作』。

Part1とPart2は1週間上映、最終章のみ2週間上映、ちょっと忙しいけど映画三昧なので嬉しい。

朝イチのAM8:50からの上映、意外とお客さんが多かった。

この映画は登場人物が多いので、人物像や相関図を見てあらかじめ勉強した。

外国人の顔を覚えるのは苦手…。

あらすじ

第二次世界大戦終戦直後の1945年。

ニューヨーク五大ファミリーの一角で、最大の勢力を誇るイタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」。

マフィアのボス:ヴィトー・コルレオーネは、イタリアのシシリー島からアメリカに移住し巨万の富を築き上げた。

ヴィトーは、何よりも家族を大切にしている。

コルレオーネ・ファミリーの跡目相続、ほかのマフィアとの抗争を重厚に描き出す。

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コルレオーネ・ファミリー

ボスであるヴィトーと、その子供たち。

父:ヴィトー・コルレオーネ

マフィアのドン、ゴッドファーザー。

イタリアのシチリア島出身の移民、一代でニューヨーク最大のマフィア組織を築く。

顔は怖いのに声が小さくて、かすれたしゃがれ声と歪んだ顔、その口から出る言葉は街を動かすほどの影響力がある。

引退後は絵に描いたような好々爺こうこうや

孫と追いかけっこするシーンは、優しいお爺ちゃん。

長男:ソニー・コルレオーネ

組織のNO.2。

調子が良くて、大の女好き。

沸点が低くて猪突猛進。

考えるよりまず行動。

頭よりも先に体が動くので、今後の行動を予想しやすい「分かりやすい思考」の持ち主。

養子:トム・ヘイゲン

組織の相談役、ドイツ系。

ドンが我が子のように可愛がっている養子。

敏腕弁護士としてファミリーを支えている超絶頭脳派。

行動よりまず思考、体よりも先に頭が動く。

長男:ソニーとは正反対のタイプ。

ドンとは阿吽あうんの呼吸。

次男:フレド・コルレオーネ

あまり出番がないので影が薄い。

線が細く、気が弱くてナヨっている。

強大なマフィアのメンバーという大きな看板があるが、それに反して自分の弱さもあり自信がなく、とても臆病。

三男:マイケル・コルレオーネ

ファミリーの中で唯一「カタギの人」、組織とは無関係の立ち位置。

大学卒業後はアメリカ海兵隊に入隊、優秀な兵士として崇められており、英雄とも呼ばれている。

とある事件をキッカケに人生が一変する。

末娘:コニー・コルレオーネ

この映画は、彼女の結婚式から始まっている。

多くの人たちに祝福され、華やかな歌と踊りで祝福されている。

笑顔の奥に隠されたのは、心の傷なのか、それとも体の傷なのか。

1972年公開(昭和47年:日本の出来事)

1972年、昭和47年に何があったのか、書き出してみる。

  • グアム島で元日本陸軍兵士:横井庄一が発見される
  • 札幌冬季オリンピック開催
  • 連合赤軍による「あさま山荘事件」2月28日に全員逮捕
  • 新日本プロレス 旗揚げ
  • 日本専売公社(現 JT)がタバコの全銘柄のパッケージに「健康のため吸いすぎに注意しましょう」の文言を記載
  • 川端康成が神奈川県逗子市でガス自殺
  • アメリカから日本へ沖縄が返還され「沖縄県」発足
  • 最高裁判所で「日照権」が初めて認められる
  • ハイセイコーが大井競馬場でデビュー
  • 刑事ドラマ「太陽にほえろ!」放送開始
  • 少年ライフル魔事件の犯人の死刑執行
  • 必殺シリーズの第1作「必殺仕掛人」が放送開始
  • 自動車の初心者マークが制定
  • 永谷園が「すし太郎」を発売
  • 全日本プロレス 旗揚げ
  • 日中国交正常化を記念して上野動物園にジャイアントパンダのランラン・カンカンが来園
  • 羽田空港発 福岡空港行きの日航機がハイジャックされる(日本航空351便ハイジャック事件)
  • 国鉄:北陸トンネル内を走行中の大阪発青森行き急行列車「きたぐに」の食堂車から出火し30人が死亡(北陸トンネル火災事故)
  • 東北自動車道 開通(岩槻IC – 宇都宮IC)
  • 日本航空シェレメーチエヴォ墜落事故
  • ちあきなおみ:喝采
  • 宮史郎とぴんからトリオ:女のみち(オリコン歴代シングルランキング2位:325.6万枚)
  • 小柳ルミ子:瀬戸の花嫁
  • よしだたくろう:結婚しようよ
  • 山本リンダ:どうにもとまらない
  • 和田アキ子:あの鐘を鳴らすのはあなた
  • 郷ひろみ:男の子女の子
  • 野口五郎:めぐり逢う青春
  • 西城秀樹:恋する季節
  • 森昌子:せんせい
  • ガロ:学生街の喫茶店
  • ハニー・ナイツ:ふりむかないで
  • アグネス・チャン:ひなげしの花
  • 金森勢・杉並児童合唱団:ピンポンパン体操
  • 1972年のテレビアニメ

「あさま山荘事件」に関しては、酷寒の環境における警察と犯人との攻防、血まみれで搬送される機動隊員、鉄球での山荘破壊など衝撃的な経過がテレビで生中継され、視聴率は驚異の89.7%(民法・NHK 合わせて)を記録した。

現場の警察官には非常用食料として「カップヌードル」が配られ、それを食する様子も生中継され、生産が追いつかないほど売れた。

構成と音

この映画は、強大なチカラを持つマフィアファミリーの世代交代までのストーリーを描いている。

177分、約3時間という長編映画だけど、途中で飽きることなく集中して観られる構成。

素晴らしかった。

映画の作り方が個性的でとても良かった。

音と音楽

まず、BGMが少ない。

音楽に頼った構成になっていない所は本当に素晴らしかった。

「撮影時の音」を全て使用しているのがとても好印象。

ドンが撫でている猫、ノドがゴロゴロ鳴っているのがハッキリと聞こえる。

水槽のエアーポンプのブクブクの音。

車の走行音。

人の雑談と話し声。

街のザワついている音。

ノイズキャンセリングの技術が無いからなのか、それともあえて雑踏の音も使用しているのか、どれも鮮明に聞こえる。

それゆえ、臨場感というか、現実味が増して、ノンフィクション作品を見ているような感覚になる。

通常は、セリフを言っている役者を目立たせるために周囲の音は極めて小さくしている。

それをこの映画ではしていない。

全ての音を使用しているので、とてもリアリティな作りになっている。

観客はスクリーンの中に入って、役者の間近で映画に参加しているような錯覚を覚える。

展開がガラッと変わるような話の転機あたりにBGMが使われているような気がした。

あの有名な、ゴッドファーザー「愛のテーマ」。

映画館の良い音響で聞けたのは本当に嬉しかった。

鳥肌たった。

しかも、このテーマ曲が流れる度に「楽器が違うバージョン」が流れるので、その都度楽しめる。

匂いと車

匂いさえもただよってきそうな、そんな気分になる映画だ。

花の香り、動物特有の匂い、テーブルにズラッと並べられた美味しそうな料理。

病院の独特な匂い、車の排気ガス、銃の火薬、血の匂い。

映画にたくさん登場する車。

丸みを帯びていてとてもステキな車ばかり。

白いラインのタイヤもカワイイ!

観音開きのドアがとてもステキっ!

あれは何ていう車だろう?

The Godfather ロゴ

あまり気にすることのなかった「映画のロゴ」。

このゴッドファーザーは文字だけでなく、絵が描かれている。

操り人形(マリオネット)を操る手。

ゴッドファーザー ロゴ - Google 検索

運命に操られ翻弄されるコルレオーネ一族を表しているのだろうか。

政治家や企業トップが人々を操り私利私欲をむさぼる中、操り人形として踊ることを頑なに拒み続けたヴィトー。

ロゴの手が操る糸は「FATHER」の文字だけ、運命に操られているのはゴッドファーザーであるヴィトー。

数々の人を操っていたヴィトーも、実は操られる側なのかもしれない。


この映画を観てから「映画タイトルのロゴ」を意識して見るようになった。

ミュージシャンが『アルバムのすべてが作品』と言うように、ジャケット写真、曲の順番、曲と曲との「無音」の秒数など、作品の関わるものすべてが作品の一部。

映画も同じ、パッケージや宣材ポスター、タイトルロゴ、音楽、すべてが作品なのだと理解した。

最後に

三部作というだけあって、この映画の終わり方は「続き」を匂わせている。

だれが、だれを手引きし、だれを動かして、だれをおとしいれるのか。

謎解きのような流れも良かった。

起承転結もハッキリとしているし、それぞれの構成もまとまっていて良かった。

次はPart2、とても楽しみ!

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