何度も繰り返し観た「トップガンマーヴェリック」。
この作品で知った俳優:グレン・パウエル。
どんな役を演じるのか気になっていた。

あらすじ
社会が一握りの富裕層と圧倒的多数の貧困層に分断され、多くの人々が過酷な生活を強いられている近未来。
職を失い、病気に苦しむ娘の医療費にも困窮していたベン・リチャーズ。
優勝者に巨額の賞金が与えられるデスゲーム「ランニング・マン」への参加を決意する。
しかし、そのゲームの実態は、社会を支配する巨大ネットワーク企業が主催する世界最大のリアリティーショー。
挑戦者の命懸けの逃走劇を、全世界の観客が視聴するというものだった。
逃走範囲は無制限。
高度な殺人スキルをもったハンターたちが挑戦者を追跡。
さらには視聴者までもが懸賞金目立てで挑戦者を追いかけるという、狂気のサバイバルが幕を開ける。
キャスト
原作小説の実写化
原作小説:バトルランナー
スティーヴン・キングが“リチャード・バックマン”名義で発表した小説「バトルランナー」。
1982年に出版された。
「スタンド・バイ・ミー」や「グリーンマイル」などの代表作を持つスティーヴン・キングの著書。
実写映画:バトルランナー
初回実写化は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「バトルランナー」。
今回が2度目の実写化。
1982年に考えられていた時代設定
1982年に出版された原作小説「バトルランナー」。
有村さんによれば、原作上では1972年にスティーブ・キングが書いている、とのこと。
ちょうど50年後の未来を想像して書いている。
作者は(50年後はこんなディストピアになっているかも…)と想像して書いている。
そして今回の映画の時代設定が、2025年。
アメリカで公開されたのが2025年、なんという偶然、というか必然なのか…。
ディストピア
ディストピア(Dystopia)は、ユートピア(理想郷)の対義語。
全体主義、過度な監視、科学技術の悪用などにより、自由や人間性が奪われた架空の暗黒世界。
ディストピアの主な特徴
- 管理・監視社会: 権力による行動や思考の制限、または超監視体制。
- 個人の排除: 個人の感情、自由、意志が抑圧される社会。
- 反人間的な環境: 核戦争や劇的な気候変化後の崩壊した世界、または技術が極端に支配する社会。
- 真実の隠蔽: 言論統制や情報操作が行われる。
個人的な感想
思ったこと・感じたことの箇条書き。
現代にも通ずる社会風景
現代にも通ずる社会風景。
なんだかバットマンの世界観に似ている。
貧困層の街(スラム)は黒や茶などで彩られている。
かたや富裕層の街は、白やグレーなどの光を反射する色味。
スラムと富裕地区では、服装も違うし、人の密度も違う。
正反対の2つの街を隔てるのは検問所。
富裕地区は徹底してスラムを排除している。
思い出した話:カカオ農園
ふと、思い出す。
ドキュメントだったかな?
たしか、ガーナ?のカカオ農園の話。
カカオを生産している農園のオーナーは、とても裕福。
何人もの従業員を抱える大きな農園。
オーナーの娘は10歳にも満たない女の子。
可愛い洋服に身を包み、可愛いヘアスタイルの女の子。
彼女は、無垢な笑顔でこう言った。
「パパが『塀の向こうは危険だから行ってはダメ』と言って私を守ってくれてるの」
高い塀が農園を囲っている。
カカオ農園の従業員たちは、自分たちが作っているモノが何なのかを知らない。
それが何に使われ、どういう経緯で、どこに行くのか、何になるのか、知らない。
撮影スタッフが某M治の板チョコを彼らに手渡す。
カカオはチョコレートの原料、ということを彼らは初めて知った。
人生初のチョコレート、感想は「甘い」。
彼らはチョコレートではなく、板チョコを包んでいる銀紙を欲しがったのが印象的だった。
「キラキラして綺麗」
無垢な笑顔でそう言った。
富裕側が作るテレビ番組(胸糞)
貧困側が、賞金のために、富裕側が作るテレビ番組に出る。
これがまた胸糞悪い。
富裕側よりも下の人(スラム住民)をネタにして「これができたら賞金100万円」みたいなことをしている。
大昔の、貴族が奴隷を使って娯楽にしていたのと同じ。
人権なんて無い、生きる価値も無い、それならせめて富裕側を楽しませろという扱われ方。
2000年公開の映画:グラディエーター(ラッセル・クロウ主演)のよう。
大昔から変わらないのね、人間という生き物は。
宣伝の仕方
現代社会に通ずる世界観。
教訓でもあり、自分を省みるキッカケにもなるし、学ぶ要素は多々ある。
なのに、日本の宣伝の仕方がね、なんつうか………ね。
軽く扱いすぎというか、コメディ的に作りすぎてるというか、良さが消されてる、気がする。。。
「鬼ごっこ」というワードが、そう感じさせるのかもしれない。
日本語吹き替え
グレン・パウエルは声が高め。
なので、日本語吹替は声が低いので、ちょっと違和感。
山寺宏一さんは、超絶適任。
山寺宏一さんの声と演技力が、テレビ番組と視聴者を熱狂させているといっても過言ではないと思う。
ある老人との接触
ハンターから逃げ伸びれば賞金獲得、というテレビSHOW。
現代の「逃走中」と近い。
主人公は逃走開始後、変装するために「ある人(老人)」を尋ねる。
老人は、偽造IDや変装アイテムを用意してくれる。
中盤に、この老人がチラッと出てくる。
このシーンから、主人公が置かれた環境が一気に狂気を増してくる。
感情を全面に出している主人公
最近の作品で、こんなにも感情豊かな人物が描かれるのは珍しいと思う。
喜怒哀楽だけではない、もっと細かい感情も豊か。
現代において、感情の機微を読み解ける人は少ないのではないか。
自分がどんな感情なのかもわからない人が多いということは、他人の感情などわかるはずもない。
好まれる作品「正義 vs 悪」
なので、好まれる作品は「正義 vs 悪」という善悪二元論。
わかりやすいヒーロー(正義)と、わかりやすいヴィラン(悪)の構成。
討伐系や逮捕劇もまたしかり。
たぶん、不景気ゆえに好まれるのだろう。
大衆受けする悪を成敗する、成敗することで歓喜する観客。
この映画でも、ランニングマン(悪)をハンターが抹殺する(正義?)、この構成が大衆を動かす。
人間の感情に疎い現代
こういったわかりやすい善悪二元論の作品が好まれるということは、人間の感情に疎いということ。
ドキュメント作品や、人生記作品、人生の軌跡を描く作品などは、理解できないからおもしろくない、つまらない、わからない。
昔の映画には、思い付くものだと。
小津安二郎:小早川家の秋、黒澤明:赤ひげ、砂の器など。
ショーシャンクの空に、フォレスト・ガンプ、エデンの東、レナードの朝など。
最近では「国宝」がそうだ。
20代もしくは10代の若者には、国宝が「よくわからない」になるらしい。
誰かの人生を追った作品は「つまらない」になるのだろう。
ドキュメント作品や実話作品
私はドキュメント作品や実話作品が好きだ。
自分以外の誰かの人生を、自分が歩まなかった人生を間接的に見ることができるからだ。
こういう人生もあるのか、と垣間見ることができる。
知らない世界を知る、というのも大きな要素。
怒りの感情
この映画において、主人公の大部分を占める『怒り』を感じられないと、この映画は一転して「つまらない」になるのだろう。
感情を読み取れないから、人物設定やセリフなど感情以外のことに目が行くのだろうね。
天災は2つある
天災は2つある。
1つは自然(天上)の災害。
もう1つは、天=人(大衆)の害。
炎上は人の害。
この動画は本当に勉強になった、4:25のあたり。
群衆コントロール
大衆の操り方の表現が素晴らしい。
1976年公開の映画:ネットワークを思い出す。
富裕側:テレビ制作側からすれば、単なる金儲けのコンテンツ。
視聴率を上げる・世間を盛り上げさせるためには手段を選ばない。
視聴者側からすると、暇つぶしの娯楽ショー、テレビSHOW。
メディアによるプロパガンダ
メディアによるプロパガンダは変わらない。
大衆を操るために、共通の圧倒的な悪役を作り上げて大衆のストレスを発散させるやり方。
キャンセルカルチャー、炎上は作りやすい、ということ。
「ペンは剣よりも強し」も同じ。
新聞→テレビ→ネットと変化してるだけ。
結果良ければ全て良し的な、経緯や過程はどうでも良いというのが見事に描かれている。
マキャベリズム
「目的は手段を正当化する」
マキャベリズムと言うらしい。
[目的(国家の利益、組織の成功など)達成のためには手段や道徳、倫理を問わないという「結果至上主義」的な政治・行動思想]
総監視社会
視聴者による総監視社会によるデスゲーム。
インターネットがあれば地球82億人総監視社会デスゲームになる。
視聴者参加型のデスゲーム、というのもまた群衆コントロールに一役買っている。
視聴者がヤれば、注目されてヒーローになれるし、かつ賞金もGET。
現代のSNS通報(Twitterで見つけ出して晒すなど)に近いかもね。
現実と事実と真実と
何が現実で、何が事実なのか。
人によって真実は異なる。
権力と金を持つ者によって事実がねじ曲げられるのは、いつの時代も変わらない。
御褒美タイム
ガチムチマッチョのグレン・パウエル。
シャワーシーンは、至福の御褒美である。
眼福、眼福…(*´﹃`*)
退役軍人宿泊所の建物(内外)でのバトルは、無意識に目を凝らしていた(やましさ皆無:自称)。
(`・ω・´)キリッ
耳が遠いママンと共に生活をしているメガネ男性
耳が遠いママンと共に生活をしているメガネ男性。
彼の家がドリフみたいで笑った。
とても好きなシーン。
後半に出てくる若い女性
後半、若い女性が出てくる。
完全に「とばっちり(巻き添え)」を受ける、気の毒な女性。
あれ?どこかで見たことあるような…。
パンフレットを見て発覚。
『コーダ あいのうた』の妹ちゃんだ!
彼女の素晴らしい演技力は健在だ。
そして可愛いだけじゃなく、美しさにも磨きがかかっている。
音楽
音楽がとても良かった。
デスゲームというテーマなのに、軽快でアップテンポな曲、クラブで流れていそうなポップミュージック。
テレビSHOWを盛り上げるBGMとして素晴らしい存在感を演出している。
自然と体がリズムを刻む。
最後に
知人にこんなことを言われた。
「なんで映画の感想を書いているの?」
なぜ私はこうして映画鑑賞の感想を書いているのか。
映画が好きだから、ではない。
何を観て、何を思い、何を考え、何を感じて、どのシーンが刺さったのか、どんな感情が出たのか、何によってその感情が出たのか、なぜその作品を選んだのか、などなど、鑑賞によって自分がどういう反応をしたのか「その時の自分」を記録している。
要は、備忘録。
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