<午前十時の映画祭>
「一度、スクリーンで観たかった。もう一度、スクリーンで観たかった。」
- 上映開始時間は<午前10時に限定せず>それぞれの劇場の判断で<午前中の上映開始>となります。
- そのため、上映開始時間は劇場ごとに、また作品によっても異なります。
- また、鑑賞料金も各劇場が設定した料金となりますのでご了承ください。
- ご鑑賞前に各劇場の公式サイトなどでご確認をお願いいたします。
私の住む街:栃木県では「ユナイテッド・シネマ アシコタウンあしかが」と「TOHOシネマズ宇都宮」の2ヶ所で上映している。
あらすじ
1920年代、ショービジネスと犯罪の街:シカゴ。
平凡な日常をくり返すロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)の憧れは、ナイトクラブの看板ダンサーで美しい女性ヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。
スターを夢見るロキシーは、ヴェルマのステージを羨望の眼差しで見ていた。
ロキシーは、ナイトクラブのショーに売り込むとの約束を守らなかった愛人と諍いを起こし、感情的に彼を撃ち殺してしまう。
逮捕され留置所に送られたロキシーは、驚くことにあのヴェルマと出会った。
ヴェルマは、不倫した夫と妹を殺した罪に問われていた。
ヴェルマは賄賂で看守モートンを抱きこみ、刑務所の中だというのに自由気ままな暮らしぶり。
しかも、金の亡者でありマスコミ操作に長けた辣腕弁護士ビリー・フリンのおかげで、巷ではヴェルマはスター扱い。
ロキシーは同じ手段でヴェルマ以上の注目を浴びようと躍起になる。
ロキシーは夫のエイモンに頼み込み、弁護士ビリーに弁護を依頼する。
ビリーはロキシーを悲劇のヒロインとして世間の同情をひくことに成功、ロキシーはスターになっていく。
キャスト
ブロードウェイの同名ミュージカルを斬新な映像表現を用いて見事に映画化した作品である。
キャッチコピーは「この街では、銃弾一発で有名になれる」
役名 | 俳優 | 役柄 | 人柄 |
ロキシー・ハート | レニー・ゼルウィガー | 歌手を夢見る自動車修理工の妻 | 浮気相手にだまされ殺害、刑務所に入れられる。裁判で注目を浴びるのを逆手にとり、スターになろうと目論む。 |
ヴェルマ・ケリー | キャサリン・ゼタ=ジョーンズ | 元ナイトクラブの看板ダンサー | 妹とコンビで活躍していたが、夫と妹の浮気現場に遭遇し2人を殺害、刑務所に入れられた。殺人の経歴を生かしてショービズ界への返り咲きをもくろんでいる。プライドが高い。 |
ビリー・フリン | リチャード・ギア | 女性囚の弁護では負け無しの敏腕弁護士 | 高額の弁護料で有名。巧みな話術で周りをだまし、無罪を勝ち取るのが得意。 |
メイトロン・“ママ”・モートン | クィーン・ラティファ | 女性刑務所の看守長 | 金さえ渡せば、囚人たちにもいろいろと便宜を図ってくれる。 |
エイモス | ジョン・C・ライリー | ロキシーの夫(自動車修理工) | 自分の事を「(透明な)セロファン」と歌うほど、ビリーからもロキシーからもないがしろにされている。それでもロキシーのために奔走する、悲しき男。 |
演出
『もっと私を見て!』
自己顕示欲の化身のような女性2人の映画。
ものすごく面白かった!
彼女たちの身に起きた出来事をSHOWに変換して『魅せる』という演出、本当に素晴らしかった!
銃で撃った時の血しぶきを赤いハンカチーフで表現している、素晴らしいアイデア。
絞首刑のシーンのアイデアも素晴らしかった。
あらゆるシーンで「出来事」を「アイデアを駆使して別の表現」として魅せている。
このアイデアが本当に素晴らしい。
「悲劇」を「喜劇」に魅せる演出、素晴らしい。
リチャード・ギアの演技、堺正章さんを思わせる多才な見せ場、素晴らしかった。
裁判で窮地に陥ったリチャード・ギア、ミスは許されないという緊張感、瞬時に機転を利かせて話を盛り上げて窮地を乗り切る爽快感、共にダンスで魅せる。
とても惹き込まれた。
映像というアトラクションを体験しているようだった。
あと、リチャード・ギアの初登場シーン、彼のニコッとした笑顔がたまらなく可愛かった。
ロキシー
ロキシー役のレネー・ゼルウィガー。
まさにマリリン・モンロー。
口紅の引き方などのメイクやヘアースタイルにこだわっていて、とても似ていた。
ロキシーは「女性が持つ弱さ」を前面に出してそれを武器と魅力に変える人物。
計算した上でちょっとアホっぽい話し方をしたり、「私って…とっても可哀想なの…」あざとく弱さを演出する、ある意味キレる人物。
あらゆる場面ごとに「自分」を使い分けるあたりは『女は女優』の言葉がしっくりくる。
レネー・ゼルウィガーの素晴らしい演技力、ピッタリの配役だと思った。
ヴェルマ
ヴェルマ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
稀に見る『人中(鼻の下のくぼみ)の堀りの深さ』。
外国人さんには、なかなか居ないと思う。
彼女以外のキャストは、人中の掘りが目立たなかった。
ヴェルマは「女性が持つ強さ」を前面に出したメイク、とても魅力的だった。
強さを主張したハッキリ・くっきりとしたアイメイク、あえてふっくらとさせない口紅の引き方、ロキシーのメイクとは全く違う。
タバコを嗜むシーンも下品にならずに、COOLでカッコ良い。
悲しみを微塵も見せず、どんな逆境も乗り越える、アスリートのような強さを持つカッコイイ女性。
2人の女性
ロキシーは、弱さや滑らかさ、曲線的な柔らかさなどの女性的な魅力を。
ダンスも艶やかで女性的エロスを出して、愛と性の情熱。
対してヴェルマは、強さや正確さ、直線的な強固さなどタフな男性に近い魅力。
ダンスは、迫力と力強さ、競技のようなキビキビとした動き、目線と表情を駆使して力強さを出し、魂を燃やすような情熱。
同じダンスでも全く違う。
正反対の2人、違いが魅せる2人の人生。
同じだけど全く違う
最後のSHOWは、同じ動きなのに全く違う魅せ方をする。
2人の女性が持つ独特の魅力と魅せ方。
この映画から得られたもの(下記に)は、とても貴重で宝物だ。
気付けた事に感謝!
最後に
人生は SHOW だ。
誰もが主役の壮大なる SHOW 。
どんな出来事も、私の、あなたの人生を鮮やかに彩る要素。
The show must go on.
コメント