何となくストーリーは知っているけど、ちゃんと観たことが無い、観た記憶が無い。
大昔のバラエティ番組でのパロディは見たことあるので、何となくそんな感じのことなのだと記憶していた。
私が記憶しているのは、バラエティー番組のコント、テレビ画面に映るのは、シーツを被った小さいナニカ。
誰かが、顔を見ようとシーツをずらすと、E.T.に扮した研ナオコさんが驚いてギャーと叫ぶ。
その声と顔に驚いてギャーと叫ぶ、子供に扮した志村けんさん。
というのが記憶にある。
「研ナオコ E.T.」で画像検索してもヒットしない、ということは記憶違いなのか?
あらすじ
アメリカのとある森に、球形の宇宙船が着地する。
中から小さな宇宙人が数人出てきた。
彼らは地球の植物を観察し、サンプルを採集する。
1人だけ、宇宙船から遠く離れた宇宙人が、崖の上から光の海を見て驚く。
それは、郊外の住宅地の灯だった。
突然、物音がした。
宇宙船の着陸を知った人間たちが、宇宙船に向かってきたのだ。
宇宙船は危険を察知して離陸する。
しかし、先ほどの宇宙人1人は、地上にとり残されてしまう。
キャスト
| 役名 | 俳優名 | 人柄 |
|---|---|---|
| エリオット | ヘンリー・トーマス | 10才の少年。 得体のしれないE.T.を偏見なく受け入れる分け隔てのない性分。 兄にゲームに入れてもらえなかったり、それでいてパシリにされるなど立場が悪い。 一方では結構気が強く、兄たちに対して強い口調で言うこともある。 またE.T.が怪獣扱いされたことで「怪獣ではなく宇宙人」と冷静に言い返すなど皮肉屋な部分もある。 |
| マイケル | ロバート・マクノートン | エリオットの兄。 母のことは慕っており、母が気にしていることを言ったエリオットを非難したこともある。 弟を小馬鹿にする一方、弟の言うとおりに動いてあげるなど面倒見よく接することがある。 E.T.を伴っての逃走では、子供ながらに車を運転する活躍を見せる。 |
| ガーティ | ドリュー・バリモア | エリオットの妹。 少し生意気。 |
| メアリー | ディー・ウォレス | エリオットの母。 夫がいるが、その夫はメキシコに愛人とともに出かけている。 気の強い部分もあり、エリオットを「あほんだら」呼ばわりしたタイラー(兄マイケルの友人)を軽くだが小突いた。 |
| E.T. | パット・ウェルシュ | 宇宙人。 名前は「エキストラ・テレストリアル」を略したもの。 言葉は話せないが念力でボールを浮かせることなどが出来る。 また、自分の描いたイメージ通りに現実の人間を操ることもできる。 |
感想
ちょっと長いので、小分けにして書いてみる。
監督
監督はスティーブン・スピルバーグ。
JAWS、未知との遭遇、インディ・ジョーンズ、ジュラシックパーク、名作を生み出した監督。
スティーブン・スピルバーグ作品は、音楽の使い方がとても印象的。
人が説明しないシーン、セリフ無しのシーン、動きも少ないシーン、このようなシーンにおいて「音楽(BGM)で観客の感情を操る」ことに長けている。
オーケストラの楽器を使い分けて、ここでドーンと打楽器を使って印象付けるとか、低音を響かせてドキドキさせておいてパパーンと管楽器の高音で開放感を与えるとか。
ということは、ずっと音楽が鳴り響いていて、ちょっぴりうるさい(笑)
1982年公開
1982年公開とあって、車のデザインが角張っている。
フェンダーミラーも運転席に近い。
ペットントンは1983年。

E.T.の影響だね。
ディズニーアニメ映画のウォーリーは2008年、E.T.とフォルムが酷似。
主張が強めのE.T.
個人的に思ったのが、E.T.は主張が強い(笑)
グフゥとかブフゥとかキェェェとか、鳴き声をすぐ出す。
静かに身を潜める、ってのが苦手。
なんだか人間みたい。
大人の映し方
あと、後半まで姿を出さない、シルエットだけしか出ない『大人たち』もまた凝っている。
てか、なんであんなにベルトにカギをいくつもぶら下げて、ガチャガチャ音を立てながら追い掛けるのか(笑)
逃げる側もキェェェと鳴きながら逃げるし、追う側もカギの金属音をガチャガチャと鳴らしながら追い掛ける。
なんでだよ笑、とツッコミたくなる。
久しぶりに見たマグライト、やはり(昔の)アメリカ映画には欠かせないアイテム。
映画から得た知識
あと、この映画で得た知識。
ペパロニ = サラミ
観客の視線の操作
観客の視線を操る工夫が良い。
見てほしいところの周囲を暗くして、見てほしいところを敢えて照明をつけて明るくしている。
「いいかい、観客たち、ここを観るんだぞ?!」という制作人の意図を感じる。
E.T.コント:キッチン
子供たちは学校へ、ママは仕事に出るので、日中は無人になる家。
空腹のE.T.がキッチンへ行き、冷蔵庫をガサゴソ。
構造は人間に近いのね、瓶に入ったチーズ的なものを舌で味わっている。
しかも好みじゃないらしく、床に投げ捨てる(笑)
缶のお酒、あの手で器用にプルタブをカシュッと開けられるのね(笑)
あと、普通に酒に酔うのも面白い(笑)
ママが帰ってきた!
ママと末娘が、買い物をして帰宅。
背の低いE.T.は、ママの視界に入らない。
ママがあっちに行くと、E.T.はこっちへ。
なんだかドリフのコントみたい![]()
末娘のクローゼット
末娘の部屋、クローゼットを開けると。
アクセサリーを付け、ドレスアップさせられ、ロングのウイッグに帽子。
これからお出掛けするからおめかししましたわ、的なコーディネートされてる(笑)
これがまた可愛い(笑)
※この家のクローゼットめっちゃ広い、イイなぁ……。
怪しげな車と大人たち
夜、住宅街を怪しげな車がゆっくりと走る。
車内に積んである機械を操作して、家の中の会話を聞いている、盗聴。
どういう原理なんだ?電波?超音波?ハッキリとキレイに聞こえてるぞ。
しかも、どこの部屋の会話なのか、選んで聞けているから不思議。
当時は珍しかった自転車:BMX
旦那くんが子供の頃、このE.T.がとんでもなく流行ったそう。
当時は珍しかった、BMX。
公開していた映画館で、同じタイプのBMXを販売していたそう。
お金持ちの子は、親に買ってもらい乗りまわして自慢していたとか。
そういうお金持ちの家では、子供の友達が来れば「おやつ」が出る、しかも『クッキー』。
なんじゃこりゃー!と美味しさに叫んだとか叫ばなかったとか。
有名なシーン:月夜の飛行
そのBMXのカゴにE.T.が乗り、森を走る。
あの有名なシーン。
飛んだ時は、BGMの効果もあり、なぜか込み上げてくるものがあり、感動して泣けた![]()
瀕死状態とようやく映る大人たち
瀕死の状態で発見されるE.T.。
ここからが起承転結の転だと思う。
シルエットだけだった大人が、姿を現す。
いかにも屈強な警察官と思いきや、宇宙服。
あれ、動きにくいよねw
坂を登ってくる防護服の大人たち、アルマゲドンみたい、なんかかっこいい。
得体の知れない地球外生命体ということで、厳戒態勢なのは分かるけど、ビニール製のドーム通路は、ちょっとw
ガイガーカウンターのジジジジッという音が聞こえるけど、そういうものは通過する。
あ、細菌類が出ないようにするためか?
医療機器
脳波を計測する機械、波がカクカクしてた、時代を感じる。
E.T.の体に、心電図を図るパッチ、呼吸確保の鼻チューブ、ほぼ人間の扱い。
鼓動が弱まり、大人たちが心臓マッサージをする。
あ、心臓の位置、そこなのね。
血圧ゼロ、って血圧もあるのね。
脈なし、って脈もあるのね。
手動、というか人力で動かす?呼吸補助機器?
調べたら「手動式肺人工蘇生器」、これをE.T.に着けてるんだけど、そもそも使用している機器は人間用なのでサイズが合わない。

本来なら口と鼻を覆って使うのだろうけど、E.T.は鼻にした着けられないのが、ちょっぴりツボった。
AEDを使ってガショーン、E.T.の体がビクーンと跳ねる、そこも人間と同じなのね。
時代を表現するもの
意外だったのが、メガネ。
メガネの形、レンズの形にも、流行り廃りがあるのね。
医師らしき大人がかけているメガネに、時代を感じる。
西部警察の大門圭介みたいなメガネ。

時代を表現するのは、車、メイク&ファッション、髪型、だけではなくメガネもあると知った、勉強になった。
疑問
そういえば、なんでE.T.は復活したのか。
エリオットが「大好きだよ」と言ったから?
それともお迎えが近いから?
兄の仲間たち
兄ちゃんの「BMXで丘の公園に来い!」の言葉で覚醒する仲間たち。
おもちゃのグラサンをスチャッと掛け、ヘッドホンをサッと装着し、目出し帽をスッとかぶる。
かっこいいぜ!ヽ( ▼∀▼)ノ フォー!!
有名なシーン:昼間の飛行
何台ものパトカーに行く手を塞がれ、もうどうにもならない大ピンチ。
ショットガンを持つ大人が見える、どうする、どうしよう、絶体絶命。
すると、有名なBGMと共に、空へ駆け上がる。
くぅーーーーー!
なんだか感動して泣ける![]()
お迎え
お迎えのUFOが来る。
眩い光を撒き散らしながら。
宇宙船の至る所からライトが煌々と照らしている、主張が強いな。
そのライトのすぐ近くから、煙が出ている、これはスモークかな?
子供たちとE.T.を、眩いライトが照らしている。
あれ?E.T.、おまえ、眩しいのか?
目を少し細める仕草が、もはや人間。
粋な演出
最後に粋なことをするね、スティーブン・スピルバーグは。
宇宙船の軌道、飛行機雲的なアレ。
それを虹にするなんて、粋だねぇ![]()
子役
子役がとんでもなく上手い。
最後の別れのシーンなんて、感情移入して泣けた。
子供たちの、悲しみの表現がすごく上手い![]()
最後に
ふと思う。
BGMが無かったら、すごくシュールだろうなぁ。
この時代は、子どもが主役の映画が多い気がする。
E.T.しかり、グーニーズしかり、スタンド・バイ・ミー、ネバーエンディングストーリー。
あと何かあるかな?
宇宙人が地球に来て、宇宙人が帰っていく、そんな映画。
気付いたこと
ポスターにもなっている【人差し指を合わせる】あの絵。

これ、本編には出てこないのね。
あれは、怪我した指先を治すための動作。
『トモダチ』の友好の合図では無いのね。
ちょっと期待してたんだけどなっ……。
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