このバットマンは、今まで観たバットマンとは違っていた。
悪を退治してスカッと爽快!という物語りではない。
主人公ブルース・ウェインを演じるのは、ロバート・パティンソン。
彼は2005年に「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でセドリック・ディゴリーを演じた。
2008年には、ヴァンパイアと女子高生の恋愛を描いた「トワイライト~初恋~」でエドワード・カレンというヴァンパイアを好演し人気を博した。
あらすじ
ブルース・ウェインは幼い頃に両親を殺され、復讐を心に誓っていた。
大人になった彼は、夜な夜な黒いマスクで素顔を隠し、悪を裁き、“バットマン”になろうとしていた。
バットマンが初めて犯罪に立ち向かってから2年。
ゴッサムシティでは、不可解な連続殺人事件が発生する。
それぞれの現場には、バットマンに向けた謎のメッセージが残っていた。
事件の解決に動き出したブルース・ウェインは、自身の家族も深く関わるゴッサムシティの腐敗に直面することになる。
ブルースとバットマン
ブルースは、強い孤独感から自暴自棄になり、行き場のない怒りを周囲にぶつけ、自分の正義を押し付けている。
理由は、ほかに選択肢がないから。
両親を殺された復讐者であり、ヒーローという光の存在では無い。
過去のトラウマに対処すべく、複雑な精神構造を作り上げ、バットマンを生み出した。
マスクで顔を隠し、真っ黒のバットスーツに身を包み、夜な夜な闇に紛れて悪を探し、街を徘徊し、悪を排除することで「正義」を通そうとしている。
「悪」がいなければ「正義」は成り立たない。
逆もまたしかり、「正義」を通すには「悪」を作り上げればいい。
正義の反対は悪ではない、また別の正義だ。
その別の正義とは、人によっては悪であり正義でもある、紙一重。
バットマン2年目、探偵という立ち位置
バットマンになりきれていない活動初期(2年目)を描いたという今作、いままでのバットマンと全く違う。
犯罪者やジョーカーなどの悪を退治する正義のヒーローではない。
バットマンが誕生した1940年頃と同じ「探偵」だ。
事件を解決するために警察に協力する探偵という立ち位置。
まだバットマン2年目なので、警察からは「なんか胡散臭いやつ」という目で見られているし、捜査協力しているのに厄介者扱いされたりと、まだ信頼されていない感じが出ている。
バットスーツを自分で直しているあたりに孤独を感じさせる。
キャットウーマンの変装や目的が定まっていない感じがするのは、バットマンと同じく誕生後すぐの迷走中といったところなのだろう。
まだ駆け出しのバットマンとキャットウーマン、どう変化していくのか楽しみだ。
終始、重く、暗く、降り続く雨といった構成が、ストーリーに重さをつける。
日本語吹き替え・日本語字幕
実は2回目の鑑賞。
1回目は日本語吹き替えで観た。
観終わったあと、内容をほとんど記憶できなかったし、理解できなかった。
観ている最中は何となく分かっているが、なぜか内容を覚えていられない。
日本語なのに、なぜこんなにも理解できないのだろう。。。
ここで考えた、「音」だけだと理解できないのではないか、と。
そこで、同じ映画をもう一度、今度は字幕で観た。
1回目より理解できた。
なぜ「音声」だと理解できないのか、なぜ「字幕」だと理解できたのか。
少し考えてみる。
認知特性とは
Twitterで、このような投稿を目にした。
ここで初めて「認知特性」という言葉を知る。
「下記サイトで診断できます」と書いてあるが、いまは削除されている。
インプット方法の違い
ものごとをインプットする際、どの方法だと理解・記憶・思考・表現しやすいのか。
これらは人それぞれ、十人十色。
それぞれ得意なことがあり、それぞれ不得意なことがある。
人と違うからおかしい、のではなく、みんな違ってみんな良い。
何かを学ぶとき「理解できない私はダメなんだ…」と落ち込む前に、自分の特性に合った学び方を探すと良い。
認知特性は大きく分けると3つ。
- 視覚優位
- 言語優位
- 聴覚優位
視覚優位
- 目で見た情報の処理が得意
- 図や絵がわかりやすい
- 日本の文化に「マンガ」あるので視覚優位の人は多いと思われる
言語優位
- 言葉で入った情報の処理が得意
- 文章がわかりやすい
- テレビを見ていて真っ先にテロップを読むタイプ
聴覚優位
- 耳で聞いた情報の処理が得意
- 演説など人の話がわかりやすい
- 文字や文章を読むのが苦手
- 説明書は読まない人が多い
認知特性診断チェック
認知特性で調べてみたら、こちらがヒットした。
6タイプの認知特性のバランスが棒グラフで示され、各タイプの概要についても簡単な解説が表示される。
この診断をするには本田式認知特性研究所のLINE友だち追加が必要。
洋画を観ることが多いので気付けなかったが、私は「文字」と「音」がないと認識・理解しにくいとわかった。
音声を文字化する
改めて考えると、やはり私は「音」として入ってきた言葉を『文字』に変換しないと【話の内容】が理解できない。
どんな文字なのか、どんな漢字なのか、誰のことなのか、どの事なのか、いつの事なのか。
日本語には「同じ音」で「異なる意味」の言葉がある。
例えば、雲と蜘蛛、箸と橋、雨と飴、日光と日興など。
前の会話から「どの言葉」なのかは推測できるが、文章が難しかったり、初めて聞く話だと理解できない。
理解できないまま話しが進んでいくと、記憶することすらできなくなっていく。
頭の中でメモしないとダメだ、全く理解できない。
私にとって言葉は「音」ではなく『文字』。
それに【映像】があれば理解しやすくなるが、そういう事はテレビや映画でしか有り得ない。
私は視覚に頼った生き方しかできないのかもしれない。
音による会話だけだと記憶も難しい。
メモを取りながら文字化することによって記憶に刻まれる。
なんとも厄介だ、この思考法は。
このことに気付くのに44年かかった。
日本の映画やドラマ
日本のドラマや映画を観ていても、やはり理解しにくいところがある。
初めて聞く言葉、聞き慣れない法律や治療法など。
日本のドラマや映画は、基本的に字幕が無い。
テレビの表示設定で「字幕」はあるが、すべてのドラマに字幕があるわけではない。
映画館の映画では、日本語字幕はほぼ無い。
医者・医療系、政治や法律系など、日常生活で見聞きする機会が少ない、もしくは初見の言葉は脳内で変換できないので認識できない。
バラエティー番組ではテロップが付くが多い、青森県や沖縄県など独特な方言には翻訳としてテロップが表示されるので、見ていて理解しやすい。
音を文字化できない電話が苦手、言葉や要点を必ずメモするようにしている。
会話も同じで、気になる言葉は必ずスマホで検索して文字化して視覚からインプットしている。
2回目の鑑賞
ストーリーを知ったうえでの2回目は日本語字幕で鑑賞。
前回、全く理解できないで終わったこの映画、やっと理解できた。
登場人物の小さな変化も、やっと気付けた。
この映画を1回目で理解できる人は、相当な頭脳の持ち主だと思う。
リドラーの『2人で暴いた』にとてつもない重さを感じた。
リドラーの手の平で踊らされていたバットマン。
最後のエンドロールでの仕掛け、気付けました。
ネット上の解析班のおかげです、ありがとうございます。
次回作が楽しみ!
音の使い方
気付いたことが1つ。
現代映画は、音楽をふんだんに使う。
恐怖や焦燥感の演出、歓喜や感動の演出。
そこかしこに楽器によるBGMがあふれている。
「映画のサウンドトラック」が売れる時代だからこそ、たくさん使うのだろう。
また別の収入源になるから。
それはわかる。
しかし、アクションシーンでの目立つBGM、要る?
地鳴りとか、風の音ならわかるけど、戦闘シーンで重厚感ある低音管楽器は必要ないと思うけど…。
BGMが少なめの映画「ゴッドファーザー」を観たがゆえに、現代映画の「音楽に頼りすぎ」ているところが目につく。
最後に
臨場感を出すなら、BGM演出じゃなくて「現場の音」を使えばいいのに。
あ、そうか。
いまはCGばかりだからソレもできないのか。
なるほど。
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