何気なくSNSを見ていると、とある映画情報が流れてきた。
不朽の名作「オペラ座の怪人」の4Kデジタルリマスター版が6月14日から公開される
な、ななななん、なんですとぉーーーーー!
映画館で観たかった作品NO.1の「オペラ座の怪人」が!
映画館で観られる!
ついに!夢が!叶うときがキターーーーーー!
あらすじ
1919年、オペラ・ポピュレールにて劇場に縁のある品を処分する公開オークションが開催される。
老紳士は出展品である「猿の形をした張り子のオルゴール」を、激しい競りの末に競り落とす。
相手は、黒いドレスに身を包んだ老婦人。
競売人は次に、荒廃したシャンデリアを「オペラ座の怪人による奇妙な出来事」で重要な役割を担ったと紹介する。
シャンデリアは輝きを取り戻し、屋根の元の位置にゆっくりと上昇し、1870年に時代がさかのぼる。
刺激と絢爛、情熱の時代であった19世紀パリ・オペラ座では、仮面をつけた謎の怪人:ファントムの仕業とされる奇怪な事件が続いていた。
ファントムは、若く美しいオペラ歌手:クリスティーヌに才能を見出し、彼女に音楽の手ほどきをする。
クリスティーヌは、ファントムを「音楽の天使」と信じて、プリマドンナへと成長する。
幼馴染の青年貴族:ラウルに愛されながらも、孤独な魂と情熱を持ったファントムに心を惹かれていく。
ある日、クリスティーヌはファントムの仮面の下に隠された秘密を知ってしまう。
一方、怪事件が続くオペラ座では、ファントムを捕まえようとラウルたちが立ち上がる——。
キャスト
左から、役名、人柄、俳優名。
ファントム | オペラ座の怪人、オペラ・ゴースト。万能の天才だが、生まれつき骸骨のように醜い容貌を持つ。 | ジェラルド・バトラー |
クリスティーヌ・ダーエ | パリ国立オペラの若く美しいスウェーデン人ソプラノ歌手。 | エミー・ロッサム |
ラウル | クリスティーヌの幼馴染の美青年、オペラ座の新しい後援者。 | パトリック・ウィルソン |
マダム・ジリー | バレエのリーダー。 | ミランダ・リチャードソン |
カルロッタ | 我儘なプリマドンナ、ソプラノ歌手。 | ミニー・ドライヴァー |
フィルマン | オペラ座の新しい支配人。 | キアラン・ハインズ |
アンドレ | オペラ座の新しい支配人。 | サイモン・キャロウ |
メグ・ジリー | マダム・ジリーの娘。 | ジェニファー・エリソン |
上映映画館
立川シネマシティ
この作品は「素晴らしい音響で観たい」と思い、映画館は東京都の立川シネマシティに決めた。
立川シネマシティは未経験、どんな音がするのかずっと気になっていた。
シネマ・ツー
大規模コンサートにも使用される音響機器「メイヤー社」のスピーカーと、それを最大限に引き出すために開発された「 KIC DIGITAKIC リアルサウンドシステム 」を導入。
さらにサウンドシステムに音響調整卓が組み込んであり、他館では出来ない細やかな調整ができる。
弓形に曲がっているスクリーンにより、立体感のある映像と作品への没入感を味わえる。
極上音響
立川シネマシティの極上音響について。
オープニング
オープニングから衝撃的だった。
あのテーマ曲が大音量で、しかも朽ち果てた1919年から1870年に移り変わるあの演出。
もう鳥肌たったどころじゃない。
あまりに凄すぎて感涙!
圧倒的迫力でポカーンと口を開けて固まってしまう、一瞬で魅了された、感動の涙でスクリーンがにじむ。
しっかり観なければ!という思いと、感激しすぎて涙が止まらない!という生体反応が入り交じってプチパニック。
低音の響き
さすが極上音響。
低音の響き方が過去イチですごい。
空気が震える、空気がビリビリと振動している。
洋服の裾が、ズボンの裾が、音で震える。
素晴らしすぎる。
共振?
ときどき、地震かな?という揺れを感じる。
腕時計に地震通知が来ないので、地震ではないようだ。
では、この弱震はなんだろう?
もしかして、極上音響によって座席が共振している?
日本一大きなスクリーン:グランドシネマサンシャイン池袋の音響でも、ここまでの重低音は無かった。
音響に特化しているドルビーシネマでも、震えるほどの重低音は無かった。
重低音に関しては、立川シネマシティが間違いなくNO.1だ。
クライマックス
観終わって感じたこと。
私の中でクライマックスは、オープニングとラストのオルゴール。
オープニングは上で述べた感じ。
クライマックス | 物語や音楽、映画などにおける最高潮や頂点を指す。 | 頂上、頂点、絶頂、最高潮、山場。 |
オルゴール
長い時間をかけて、少しずつ育てていった、純粋で無垢な歪んだ愛。
ファントムを想うと、胸が苦しくなる。
オルゴールの音が、あまりにも美しくて、儚くて、キレイすぎて泣けてくる。
オルゴールの音が流れると、もう、つらすぎて……。
あまりにもキレイなオルゴールの音色と、ファントムが正反対すぎて、苦しい。
ファントムの心情を表現するのに、この音色は的確だと思う。
目の前に彼女がいる、しかし彼女は彼を見ていない。
物理的距離が限りなく近くとも、精神的距離は限りなく遠い。
すぐ隣にいるのに、届かないほど遠くにいるような感覚、前途遼遠。
思い返しても泣けてくる。
こんなにも胸が締め付けられる思いを感じるのは久しぶりだ。
もう、苦しくて、つらくて、涙が止まらないし、鼻水も止まらない。
ズビズビしたいのをグッとこらえる。
添えられたバラの花に、あの指輪が。
ファントムは、いまも彼女を愛している。
ファントム
彼には重く暗い過去がある。
それが彼を構築し、彼の激しさはタイトル通り「怪人」だ。
彼のファントムという名と、「仮面」をかぶるということが「二面性」を表している。
仮面をかぶることで顔を隠すだけでなく、彼の内側も覆い隠している。
彼が持つ強さと弱さ。
仮面をかぶることで強くなれる、強くなることで弱さも隠せる。
本当の自分をさらけ出せば拒絶される、その思いから仮面を外せずにいる臆病な彼。
仮面ありきの自分で愛されたいそう願ったところで結局のところ虚妄。
激しい葛藤が彼を蝕む。
ファントムの願い
ファントムの願い。
それは、人として愛されたいという願い。
人として彼女に愛されたいという切なる願い。
願いは次第に愛情へと変わる。
届かない愛、報われない愛、一途で熱い愛。
彼女を愛し、彼女に愛されたかった男の物語。
ファントムが持つ激しい感情は、愛を嫉妬と憎悪へと変える。
我意を押し通す剛情さを持ち、強引で、強気で、狂気に満ち、声を張り上げて怒鳴り散らし、誰よりも強大な存在。
あんなに大きくて、恐怖を感じていた存在の彼が、とても小さく、いまにも壊れそうなほど脆く見える。
今にも消えそうな、震える小さな声で、愛されたいと切願する。
彼の願いは、決して手の届かないものだとわかるからこそ、あまりにも切ない。
人として生き、人として必要とされ、人として愛されたい。
どこにでもある普通のことが、彼にとっては遥か遠い存在であり、幾星霜の経ても色褪せない儚い夢なのだ。
最後に
久々に号泣した。
こんなにも感情を揺さぶる作品は滅多にお目にかかれない。
こんな素晴らしい映画体験ができたことを心から感謝している。
ついに夢が叶った、ずっとずっと願っていただけに、感慨もひとしお。
「映画館で観たかった作品」の中でもっとも観たかったのが「オペラ座の怪人」。
ついにスクリーンで観ることができた!
ああ、なんて幸せな日だ!
私には「聞くだけで瞬時に泣ける曲」がいくつかある。
今回の映画鑑賞で、オルゴールの音がそれにラインナップした。
- ファントムが持つオルゴールの音色
- Elvis Presley「Unchained Melody」
- ベートーベン「ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」第3楽章」
- 中村雅俊「ふれあい」
- 井上陽水「いっそセレナーデ」
- 玉置浩二「メロディ」
- シャ乱Q「上京」
※J-pop・日本歌謡曲に関しては特に思い入れも思い出も無いのに泣ける不思議
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