2026年現在、多くの人が利用しているAI。
スマホやパソコンで、個人が利用していて、複数のAIを駆使している人もいる。
いまやAIは、企業だけでなく個人が利用する時代。
身近な存在のAI。
2001年公開の映画で、どう描かれているのかが気になった。
午前十時の映画祭
故スタンリー・キューブリック監督が温めてきた企画を、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。
愛を持った少年型ロボットの切なすぎる運命に、ただ胸が詰まる。
あらすじ
人間を愛するようにプログラムされた少年型アンドロイドのデイビッドが、「本当の人間になれば母親に愛してもらえる」と信じ、壮大な旅に出る物語。
原作小説
この映画には原作があるそうで、調べてみた。
イギリスのSF作家ブライアン・オールディスが1969年に発表した短編小説『スーパートイズ』。
1970年代にスタンリー・キューブリックが映画化に向けて着手し、後にスティーヴン・スピルバーグ監督によって映画『A.I.』(2001年公開)として映像化された。
1969年(原作小説発売年)
原作小説が発表された1969年は、2026年現在から57年前。
昭和44年。
- ソ連の有人宇宙船・ソユーズ4号とソユーズ5号が史上初の有人宇宙ドッキングに成功
- リチャード・ニクソンが第37代アメリカ合衆国大統領に就任
- 日本の東名高速道路が全区間開通
- 日本初の原子力船「むつ」が進水式
- アポロ11号が人類初の有人月面着陸を果たす
- 松竹映画『男はつらいよ』公開
- 新東京国際空港建設開始(成田国際空港)
- 日本の宇宙開発事業団(NASDA)発足
- スピードシンボリ号が日本馬として初めてフランスの凱旋門賞に挑戦、24頭中10着に敗れる
- 日本の野球界で黒い霧事件発覚
- 読売新聞社社主で日本テレビ放送網創業者の正力松太郎が死去
- 日本で人工甘味料チクロの使用が禁止
- 午後10時30分(アメリカ時間)インターネットの原型であるARPANETでUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)からスタンフォード大学に初めてメッセージ(LとO)が送信される、情報化時代の幕開けとなる
- アメリカの教育番組『セサミストリート』が放送開始
- セイコーが世界初のクォーツ式腕時計「アストロン」を発表、クォーツショックと呼ばれる業界の大規模な構造変化をもたらす
- 埼玉県加須市にある遊園地緑の中のファミリーランドむさしの村が開業
- 1969年の音楽
- 1969年の映画
- 1969年生まれの著名人
2001年(映画公開年)
2026年現在から25年前、平成13年。
- 2001年1月1日から3千年紀、21世紀が始まった
- 1985年つくば科学万博「ポストカプセル2001」に投函された手紙300万通以上が配達された
- ジョージ・W・ブッシュがアメリカ合衆国大統領に就任
- えひめ丸事故
- コロンビア邦人副社長誘拐事件
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開園
- オランダで世界初の同性結婚法が施行された
- 小泉純一郎が日本の第87代内閣総理大臣に就任し、第1次小泉内閣が発足
- 附属池田小事件
- Google 画像検索のサービス開始
- 明石花火大会歩道橋事故
- 東京ディズニーシーがグランドオープン
- アメリカ同時多発テロ事件
- iPod発表、革命的なデジタルオーディオプレーヤーとして話題に
- ザ・ビートルズのメンバージョージ・ハリスンが病死
- 愛子内親王が生誕
- 2001年の映画
- 2001年の音楽
- 2001年の日本 § 誕生
感想
思ったことをツラツラと書き綴る。
57年前に地球の未来を予想していた?
「地球温暖化が進み、ニューヨークやアムステルダムなどの大都市が、いくつも海に沈んだ。地球に残された陸地はわずか。」
ということは、生き残ったのは金持ちばかりだろう。
こういう天変地異のときに真っ先に切られるのは、権力者や金持ち以外の平民や貧民だ。
要はカーストの上位種が生き残る。
上位種の中でもさらにカーストがあると予想できるので、条件の良い場所で生きるのはごく限られた人たちだろう。
限られた場所で、(人間の)一定数を保つために妊娠を制限し、人間の代わりにロボットが生活を支えている。
なんだかブレードランナーを思い出す。
2つの作品で描かれている世界観は、2026年と変わらない気がする。
ファミレスではネコ型ロボットが愛嬌を振りまき仕事に勤しんでいるし、レジでは客が清算しているし、なんなら遊園地ではキャラクターの姿をしたロボットが客を楽しませている。
無骨な機械でも、外側を人工皮膚やゴムラテックス(キャラクターのコスチューム)で覆えば、人間はソレだと思って受け入れる。
ペッパーくんもそうだ、最初は見た目がアレなので人気は無かったが、いまでは野球の応援団を任されていたり。
機械やロボットでも「人間にとって身近な存在」にすれば、人間は受け入れる。
「人間にとって身近な存在」にすれば愛情や愛着が湧く、ということ。
人間と商品の関係
この映画を観て思ったのは『あらゆる「商品」は人間の「一時的な欲求」を満たすものであり、その一時的な欲求が満たされれば「用無し」になる』。
そこに悲劇が加われば、欲求はさらに強くなる。
人間の欲求が満たされたときに、商品としての価値が無くなる。
ゆえに、商品としての価値を持ち続けるには、常に欲求を持つ人間を探すこと。
人間のエゴ(利己主義)を丁寧に描いた作品だと思った。
人間とロボット
大きな違いは、人間は劣化があり、ロボットには劣化が無い(充電などは一旦置いといて)。
人間は1年ごとに劣化し、いずれ死を迎える。
ロボットは、何かしらの不具合で機能停止するが、基本的には劣化しない。(特にこの映画の中では)
親と子(人間とアンドロイド)
ロボット製造会社は新たな市場開発のために、政府の妊娠制限により子供を持てない夫婦をターゲットにした「子供のアンドロイド」を製造。
ここで思ったのが、親である人間が時間と共に老化するが、子供アンドロイドは永遠に子供だ。
老夫婦と子供、というより年齢で観れば祖父母と孫に変化する。
それでも子供アンドロイドは「ママの愛情」を欲するようプログラムされている。
祖母になったママを、子供アンドロイドはママと認識するのだろうか?
「初期にインプットしたママ」だけを「ママ」と認識するのだろうか?
老化した母のデータは無いので、認識できないのでは?
母と子(育児の実態)
子供アンドロイドを受け入れた夫婦は、裕福なんだろうなと感じた。
夫は仕事をし、妻は自宅で家事をする専業主婦。
つまり「子育て」は女が担うもの、という思想が見て取れる。
原作の1969年だと、そういう時代なのかも。
なので、子供アンドロイドが求めるのは「ママの愛情」のみ。
父の存在は、愛情に含まれていない。
冷凍保存
夫婦のひとり息子は難病を抱えている。
画期的な治療法がなく、息子は冷凍保存されている。
DAYS JAPAN
ふと思い出す、昔に読んだ雑誌に「人体を冷凍保存する施設」の記事があった。
2017年12月号のデイズジャパンに「人体凍結」の特集が記載されている。
ロシア:モスクワの北にあるセルギエフ・ポサド、人口約11万人の街に、その施設がある。
日本経済新聞では2018年4月にWEB記事を出している。

やりすぎ都市伝説
2017年12月22日(金)放送の「やりすぎ都市伝説スペシャル4時間SP」。
この放送では、都市伝説テラー:関暁夫氏がアメリカのアルコー延命財団に潜入取材している。
「宇宙時代の到来とトランスヒューマニズムがもたらす人類の新たな進化」をテーマに、ロシアとアメリカを巡るロケを敢行。
アルコー延命財団による死の克服や、元Googleエンジニアが人工知能を神とする宗教団体を設立したという衝撃的な内容が明かされた。
※以下の記事は「livedoorNEWSアプリ限定」なのでWEBでは見られません
「ビットコインの関係者が冷凍保存されていると判明 延命財団代表も認める」で検索
人体冷凍保存(クライオニクス)された主な有名人
- テッド・ウィリアムズ(Ted Williams)
- アメリカ・メジャーリーグの伝説的な打者。2002年に死去した後、本人の希望により米国のアルコー延命財団にて遺体が冷凍保存されている。
- ハル・フィニー(Hal Finney)
- ビットコインの最初の取引相手として知られる暗号技術者。2014年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)で亡くなった後、同じくアルコー延命財団で冷凍保存を選択した。
- ジェームズ・ベッドフォード(Dr. James Bedford)
- 1967年、腎臓がんで亡くなった心理学の教授。医学の力で将来蘇生することを目指し、世界で初めて人体冷凍保存された人物として知られている。
- その他、実業家のピーター・ティールや、SF作家のアーサー・C・クラークなども生前に冷凍保存の契約をしていることで有名。
- ビットコインの初期開発に関わり、莫大な富を得た天才プログラマー(ハル・フィニー氏など)が、難病(ALS)によって亡くなった後、この施設に冷凍保存されていることが明かされた。

ママスイッチ作動とその後
子供アンドロイド:デイビッドと過ごすママ:モニカ。
最初の認識が「子供アンドロイド」なので、人間のようにふるまうロボットに困惑・拒否反応を示す。
これがペッパーくんにような ザ・ロボット の外見なら、ママはどういう反応をするのだろうか?
やがてママは子供アンドロイドを「息子」として受け入れるために「システムを作動」させる。
このシステムは、ママの愛情を永遠に欲するシステムであり、ママを認識した後に変更は不可。
ママを別の人に変えることもできなくなる。
ヘンリー
妻:モニカのことはママと呼ぶが、夫:ヘンリーのことはパパとは言っていない気がする。
プログラムの中に母性愛はあっても、父性愛は無いのか?
妊娠・出産を担うのが女性、しかも子供を持てない夫婦がメインターゲットだから、母性愛をメインにプログラミングされているのか?
善と悪
おもしろいなぁと思ったのが、法律によって記されているわかりやすい悪(犯罪など)はインプットできるけど、グレーなことについてはインプットできないのだなぁ、と。
犯罪ではないけど、常識的にやってはいけないことなどは、人によって異なるからだ。
例えば、ママのメイク道具を使って顔に落書きをする。
子供のやることだと寛大に受け止める人もいれば、烈火のごとく叱咤する人もいる。
大多数が悪と認めることをインプットしているのかもしれない。
お留守番
もし生身の人間だったら。
もし実子だったら。
お留守番させないんだろうなぁ。
子供アンドロイドだと無意識に認識しているから、パーティーには連れて行かずにお留守番させるのだろうね。
物理的ケアが必要な人間
ママが寝る前に本の読み聞かせをする。
体温調節が必要な実子:マーティンを布団に寝かせ、添い寝するように読み聞かせている。
アンドロイド:デイビッドは、床に座りながらママの声を聞いている。
少しずつ映し出される、人間とアンドロイドの対応の差。
人間 VS ロボット
そんな中、実子であるひとり息子:マーティンが治療によって生還する。
徐々に動けるようになり、日常生活を取り戻すマーティン。
このことにより、ママの中に「実子」と「アンドロイド」という見えない境界線が浮き彫りになった。
いままでボヤけていた境界線が、明確に表れた。
実子:マーティンにとって、アンドロイド:デイビッドは弟ではない、ただのアンドロイド。
人間のように扱うことはしない、ただの人型ロボット、最新のオモチャ。
生身の人間が優位で、それ以外は劣位。
日本の国民的アニメ:ネコ型ロボットは、メガネ坊やの友達であり、野火家の一員、家族。
もしかしたら日本が独特なのか?アニメだから受け入れているだけなのか?
早食い&大食い対決のシーン
これを見て思ったのが、アンドロイド:デイビッドは「ひとりっ子」のプログラムなのか?
兄弟がいる前提で作られていない気がする。
なるほど、妊娠制限がある世界なので兄弟・姉妹は居ないのか。
子供ロボットは「ひとりっ子」が前提なのか。
人間の悪意
これもまたプログラミングするのは難しいね。
実子:マーティンの悪意、子供が持つ悪意、男児が持つ悪意。
悪意は人によって違うので、プログラミングできないんだろうなぁ。
過去データ
プールのシーン。
溺れるという事実は変えられないけど、誰がどのように関わって何がどう起きたのかを確認することはできないのか?
アンドロイドに過去データはあると思うけど。
それをしてしまうと「人間」ではないから?
人間はふとしたことで簡単に死ぬ弱い生き物であり、ロボットは強い存在なのね(物理的に故障するなどしなければ)。
無意識の意識
大人たちも、子供たちも、人間は無意識にアンドロイドを認識している。
プールの底から水面を見上げるアンドロイド:デイビッドを心配する人間は居ない。
無意識に線引きをして、人間とそれ以外という意識で居るんだなぁ。
最後の良心で「ロボット製造会社に行くな・ジャンクフェアに近付くな」というけど、結局は良心でもなければ両親にもなれなかったんだなぁ。
野良アンドロイドと不法投棄
どこからともなく現れる野良アンドロイド。
これまた現代に通ずるシーンだと思った、ホームレス。
思ったのが、もしかしたら人間の数よりもアンドロイドの方が多いのか?
だから野良アンドロイドがいるのか?
人間は死んで朽ちる。
しかしアンドロイドは、外見の劣化&パーツの欠損などはしてもマシン自体が動けば生存できるので、物理的スクラップ出ない限り数は減らない。
と考えると、やはり人間よりもアンドロイドが多いのかもしれない。
ジャンク・フェア(死はエンタメと化す)
英語表記だと「FRESH FAIR ~CELEBRATION OF LIFE~」。
和訳だと「ジャンクフェア~生の饗宴~」。
このシーンは、古代ローマ時代に建設されたこの巨大な円形闘技場:コロシアムと同じ。
ラッセル・クロウ主演の「グラディエーター」を思い出す。
残酷であればあるほど、エンタメとして盛り上がる。
いつの時代も「死」はエンタメになるのだなぁ。
そして、人間側の狂気乱舞の演出がとても良い。
音楽がまたカッコイイのなんのって。
製作費用
このコロシアムセットしかり、アンドロイド製造会社しかり、かなりの費用がかかったのではないか。
かなりの人数のエキストラ、舞台セット、近未来の作品は費用が嵩む。
移動手段
ふと思ったのが、人間の移動手段。
これだけ発展しているのに、移動手段がおもしろい。
自走運転ではなく、アナログな手動運転。
つまり人間が操縦している。
近未来的な車でも、人間が自ら運転するところがアナログでおもしろい。
だからこそ、ラストのヘリコプターが活きるのだろうね。
プログラムされた自走だと、逃走ができない。
性の対象
これも大昔から変わらないなぁ、と思った。
若者が運転する車が故障して路駐しているシーン。
子供ロボット:デイビッドとセクサロイド:ジョーは、修理の代償として「同乗して街へ行く」ことに。
このとき、街まで続く橋が女性の顔。
セックスシンボルは、いつの時代も女性なんだな、と。
セクサロイド:ジョー
女性用(とは限らない)のセックスロボット:ジョー。
大人の容姿だからか、まばたきが少なくて実にロボットっぽい。
動きもキメッキメでカクカクしていて、ロボットっぽい。
かなり動きを研究したんだろうなぁ。
コロッケさんの芸:五木ロボのようなキレッキレの動きが素晴らしい。
古いもの
古いものは排除され、新しいものが入ってくる。
ひと昔前は最新でも、数年もたてば旧式になってしまう。
これは機械だけの話ではない、人間もまた同じ。
人間になりたい
人間になりたい。
人間になってママに愛されたい。
アンドロイドは人間になりたいと懇願する。
なんだか「妖怪人間ベム」のようだ。

このアニメも、人間の愚かさを丁寧に描いた作品だ。
最後に
愛とは何なのか、愛情とは何か。
これほど不確定で、流動的変容をし、不定形なものは愛の他にあるのか?
不完全でエゴだらけな人間が、プログラミングされたこと以外はできないロボットを使いこなせているようで、実はそうではなくて不完全さゆえに自滅していくという作品。
この原案が57年も前に考えられていたとは……。
人類が誕生したのが約700万年前といわれているけど、もしかしたらこの頃から繰り返されているのかもしれない。
ということは、人間に組み込まれたプログラムとも言えるだろう。
では誰がそのプログラムを組み込んだのか。
神か、仏か、はたまた宇宙人か………。

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