いつもお世話になっているTOHOシネマズ宇都宮。
ふと思い立ち、違う映画館で鑑賞してみることに。
同じ作品を観ても違いはあるのだろうか、あるとしたら何が違うのだろうか。
自称理系の私の探究心に火がついた。
MOVIX宇都宮
ここに来るのは何年ぶりだろう?
たしか前回は【1917 命をかけた伝令】をここで観た、2019年公開なので3年ぶりだ。
周囲を見渡すと、TOHOシネマズ宇都宮と違う。
天井のスピーカーの数。
左右の壁のスピーカーもまたしかり。
座席は、TOHOシネマズ宇都宮よりやや狭い感じがする。
座面が水平なのかもしれない、滑り落ちる感じは無い、座っていて疲れない。
非常にドキがムネムネしている。
まるで、楽しみにしていたコンサートが始まる時のような高揚感だ。
オンラインチケット
今回、初めて事前にインターネットでチケットを買った。
MOVIX系:インターネットチケット購入方法(松竹マルチプレックスシアターズ)
決済方法はいくつかあって自由に選べる。
いつもは上映直前に行って、空席の中から選んでいた。
オンラインだと事前に好きな席を選べる、今回は後方列のド真ん中をチョイス。
むむ、期待が高まる。
シアター内に足を踏み入れると、後列に観客が多かったのが印象的。
ド真ん中を狙う人が少なくて驚いた。
私の隣の若いカップルが、、、残念だった。
ずっと食べてるし、しかもポップコーンを床に散らかす。
エンドロールでスマホいじる、しゃべる。
エンドロールも映画だ、場内が明るくなるまでが映画だ。
ほら、小学生の頃に「遠足は自宅に帰るまでが「遠足」です」と教わっただろう。
マナーを守って大人しくしとけよ、大人なんだから・・・。
むむ、心と言葉が乱れてしまった……。
座席を選ぶときは熟考しよう
今回は座席数の多い大きなスクリーンでの鑑賞。
しかし、思いのほか人が少ない。
後ろから2列目のド真ん中をチョイス。
しかし、よく行くTOHOシネマズ宇都宮とは音の響き方が違うので、もう数列前のド真ん中を選べばよかったなーとしみじみ。
確かに、大きなスクリーンだと音響に迫力がある。
体の芯に響く音、座席を揺らすほどの音が楽しめる。
戦闘機の飛行シーンなんて、ビリビリと座席が揺れるほどだ。
しかし、選んだのは後方なので、頭上から音が降ってくる感じは無い。
後方からの音も少ない。
ちょっと残念。
MOVIXでは真ん中の真ん中(中心)を選ぶことにしよう、、、また行くとは限らないけど、、、しかも忘れてると思うけど、、、。
P-51マスタング
やはり、オープニングでウルウルしてしまう。
カリフォルニア州のモハーヴェ砂漠にある海軍基地内の官舎格納庫。
マーヴェリック(トム・クルーズ)が整備しているのは、プロペラが付いた戦闘機【P-51マスタング】(後にF-51に改名)、第2次世界大戦時の戦闘機だ。
実はこれ、トム・クルーズの私物。
前作トップガンの時にパイロット免許を取得したそうで。
このF-51マスタング、最後のシーンとセルフオマージュになっていて、涙を誘う。
何が泣けるのかは、鑑賞して感じてほしい。
セルフオマージュ1
前作『トップガン』のセルフオマージュが豊富な今作「トップガンマーヴェリック」。
それは懐かしくもあり、新しくもある。
初見の人に分かりやすい工夫も多い。
前作トップガンの映像が回想として使われていたり、写真やセリフが使われていたり。
前作トップガンを知る人は、その構成に感涙する。
セルフオマージュ2
若手パイロットの実力を知るために、マーヴェリック vs 若手パイロット(チーム戦)が始まる。
若手たちは「過去の偉人」とナメきっているし、ペイバック(ジェイ・エリス)は「負けた方は罰ゲーム:腕立て200回」と鼻で笑う。
ハングマンにいたっては「化石人間」とイジっている(笑)
大空を飛行する若手パイロットたち「おっさん、どこだ?」とキョロキョロ。
突然、爆速で登場するマーヴェリックに若手パイロットたち大慌て。
しかも、ルースターの戦闘機の頭上で逆さまになって近距離接近して煽るあたりは、前作『トップガン』の冒頭「背面飛行で敵機に急接近してF●●Kポーズで記念撮影」を思わせる、これもセルフオマージュだ。
一気にカッカする若手たちを手の平で弄ぶマーヴェリックは「a walk in the park」と次々に撃墜。
無敵のおっさん、マーヴェリック!
セルフオマージュ3
最終任務が始まり、空母の甲板に立つマーヴェリック。
「やるぞ、グース」(Talk to me Goose)
これは前作『トップガン』のセルフオマージュ。
前作の55:30あたり、マーヴェリックとグースのセリフ。
マーヴェリックは、いつでもグースと共に歩んでいるのがわかる。
気付いたところ
今回気付いたのは、マーヴェリックは何をしても「上の人」に怒られてしまうところ(笑)
しかも、マーヴェリックの自由奔放な言動を応援する人が何気に多い。
- 彼ならやりかねない
- 彼なら仕方ない
- 彼なら何かしてくれる
- 彼ならどうにかしてくれる
そんな感じが伝わってくる。
マーヴェリックは、いろんなことを深く考えるよりも先に体が動く。
上官からすると、ルールや法律・言い付けも守らないし、止めても止まらないし、任務を与えるとそれ以上のことをするし、悪いことをしても悪いと思っていないし、頭を抱えてしまう存在だが、なにぶん実力があるから腹立たしい(笑)
後半、サイクロン(ジョン・ハム)から教官解任を言い渡されたマーヴェリック。
サイクロンが教壇で若手パイロットたちに「作戦変更」を説明しているとき、彼が動き出す。
この行動、本来なら「ルールを無視した違反行為」として懲罰もしくは除隊だが、マーヴェリックの行動に少しずつ期待し始め、前のめりの前傾姿勢で食い入るようにモニターを見ている一同。
「マジかよ…」「ありえない…」消えるような声でつぶやく若手パイロットたち。
終了間際、ガタッと席を立ち興奮する若手パイロットたち、それとは反対に深い溜め息をもらすサイクロンが対照的で面白かった。
3回目の視点
3回目ともなると、視点が違ってくる。
今回はルースターに感情移入。
よーく観ていると、グースとルースターの共通点がわかる。
ルースターのヘルメット、グースのヘルメットと模様が似ている。
これは意図的なのか、それとも偶然なのか。
意図的だとすると、泣ける。
ルースターの幼少期に亡くなった父親:グース。
幼さゆえに当時のことをあまり理解していなかったと考えると、成長と共にジワジワと理解してくる事故のこと。
父の存在を示すためにあのヘルメットを使用しているのだろうか、、、そう思うと胸アツ(涙)。
ルースターのサングラス、形見なのか?
それとも父のサングラスと同じシリーズ?
前作と今作の違い
前作『トップガン』と今作『トップガンマーヴェリック』。
いくつか違いが分かる。
まず、多彩な肌の色。
白だけでなく、黒も、茶も、黄も、いろんな人種がいる。
そして、前作との大きな違いは【女性パイロット】の存在。
前作トップガンの1980年代後半は、女性パイロット禁止法があった。
1990年代に入ってから上記の法律が改正され、女性も飛ぶようになった。
今作のトップガンマーヴェリックで女性パイロットが頻繁に映し出されるのは、時代の変化の象徴なのだろう。
マーヴェリックからルースターたち若手へ、男性社会から男女社会へ。
今作の後半、最終任務で女性パイロット:フェニックス(モニカ・バルバロ)が主要メンバーとして活躍することは、映画でも現実でも重要シーンなのだと思った。
No.1 と No.2
トップガンの中でも精鋭の若手パイロットたち。
中でもハングマン(グレン・パウエル)は、実力NO.1。
その飛行スタイルは、往年のマーヴェリックと重なる。
ルースター(マイルズ・テラー)は、チームを最重視して任務を確実に成功させる保守的な飛行スタイル。
それは、冷静なアイスマンに似ている。
しかも、チャンスを待ち過ぎて行動が遅れる慎重派のルースター。
無謀で自信過剰だった若き日のマーヴェリックとは真逆の性格だ。
マーヴェリックとアイスマン。
ハングマンとルースター。
NO.1 と NO.2 。
若手パイロットたちは、有り余るエネルギーを抑えることなくぶつけ合う。
バッチバチに火花を散らして威嚇し合うBARのシーン。
お互いの実力を認めつつ、オレ(わたし)は負けていないと威嚇する。
HANGMAN(ハングマン)
実は、ハングマン役のグレン・パウエルは、前作トップガンの大ファン!
その影響で俳優になったそうで。
最初はルースター役を熱望していて、マイルズ・テラーがルースターになると知り落胆、あまりのショックに映画出演を断ったとか。
その後、トム・クルーズ&スタッフと協議を重ね、ハングマンになった。
ハングマンのヘルメット、Aの文字が消えて「H NGM N」になっている。
なぜだ?調べてみた。
英語圏では、文章の一部を隠して当てる「ハングマン」という言葉遊びがある。
イギリス発祥で19世紀からあるらしい、なるほど。
稀有なハプニング
いままで何度も映画館で映画を観てきた。
今回はとんでもない【ハプニング】に遭遇した。
昭和のフィルム上映だと、映写機と照明の熱でフィルムが燃えるというアクシデントは多々あるらしい。
しかし、いまは映像がデジタル化されている。
そんな今どきらしいハプニングだった。
アイスマンとの再会からビーチアメフトへ移行するあたりから。
突然、音声が消えた。
全くの無音、音響機器の不備だ。
初めての体験。
ビーチアメフトの曲の前半が聞けなかった。
無音から1分くらいで音声復活。
以後、普通に上映。
こんなことあるのかー!と驚いた。
帰り際、スタッフさんが観客に近寄ってきて何かを手渡している。
「途中、音声が途切れてしまいまして申し訳ございません。お詫びにこちらをどうぞ」
ポップコーン引き換え券をもらった。
貴重な経験をありがとう(小声)。
個人的に好きなシーン
①ビーチアメフトのシーン
ボールを持ったトム・クルーズが若手俳優陣に突進して見事に吹っ飛ばされるところ
②ビーチアメフトのシーン
ボールが地面に落下すると弾け飛ぶ若手俳優軍団(ボールを爆弾に見立てているのかも)
③ルースターとフェニックスの関係性
2人の距離感とか、なんだか「昔付き合っていた感」が出ている、意味深だ(ニヤニヤ)。
本物の戦闘機と重力加速度
トム・クルーズをはじめとする俳優たちが飛行するシーンは、本物のF/A-18E/Fのコックピット内で演技している。
戦闘機のコックピットに特殊なカメラ:IMAXカメラと照明を設置。
俳優たちは戦闘機内でカメラのON / OFF、照明のチェック、メイクのチェックなどをしながら演技をしている。
劇中の高機動飛行で、あるいは空母からのカタパルト発艦で、高G(重力加速度)に顔が歪み、体が捩れ、うめき声を上げる様は、すべて本物。
Gロック(重力による失神)してしまうシーン、これも実際の映像。
本物の戦闘機F/A-18は、時速約965km。
これはどういうことなのか。
地球上では1Gの重力がかかっている。
2Gになると体重の2倍となって、たとえば体重90kgの人なら180kgに感じる。
戦闘機に乗っていると7.5Gから8Gを受けることになるので、体重90kgの人なら725kgものパワーで体が押しつぶされる感覚になる。
脳から血液が押し出され、視界は閉ざされるだけでなく、血液は全て脚に流れ込む。
Gに慣れていない人は嘔吐、もしくは気絶(G-LOCと呼ばれる意識不明)する。
もちろん、空母から離陸するマーヴェリックも、最終任務の4機が隊列を組んで飛行するシーンも、橋をすり抜けるときに驚いて振り返るシーンも、ぜんぶ本物の映像。
文字での会話
ずっとスマホで筆談していたアイスマンとマーヴェリック。
アイスマンに呼び出されて2人は再会する。
出迎えたアイスマンの妻にマーヴェリックは『再発したのか?』と聞く。
実はこれ、アイスマン役のヴァル・キルマーが闘病したという事実に基づいている。
ヴァル・キルマーは2017年に咽頭ガンを発症、2年の闘病をし復活した。
その際、気管切開したので、以前のように声が出せなくなっている。
その事を劇中でも表現している。
現在はAI技術を駆使して、過去のヴァル・キルマーの音声をもとに声を再現している。
再会を喜ぶアイスマンとマーヴェリック。
アイスマンがキーボードで「任務の話をしたい」というが、マーヴェリックは「そんな事よりキミ(病気)のことが……」、アイスマンは遮るようにディスプレイを指差す、笑顔で。
マーヴェリックは、任務のこと、ルースターのこと、悩んでいることを打ち明ける。
アイスマンが「過去は水に流せ」と打つと、マーヴェリックは1人の人間として、弱さを見せる。
アイスマンの前でだけ、弱さを見せて、泣き言を言う。
その関係性に、泣ける。
「海軍はマーヴェリックを必要としている、あの若者も必要としている」
くぅー!泣かせるじゃないかアイスマン!(号泣)
アイスマンが上に居ることで、マーヴェリックは自由でいられる。
アイスマンは「上」に行くことで、マーヴェリックを守っている。
ウィングマン
最重要任務である、敵国のウラン濃縮施設の破壊。
複座機は2人乗り、前席が操縦、後席がレーダー員。
単座機は1人乗り、マーヴェリックとルースター。
日本語では僚機、英語だとウィングマン。
前作『トップガン』で、アイスマンがマーヴェリックに「オレのウィングマンにしてやるよ」と言い、マーヴェリックは「キミがオレのウィングマンだ」とお互いを認めあうのが印象的だった。
空母を飛び立つ瞬間から任務が始まり、緊張がずっと続く。
もう戻れない、無事に成功するのだろうか、彼らは無事なのだろうか。
何度観ても、手をギュッと握り締めてしまう。
トップガン ポップアップストア in 池袋パルコ
「トップガン」の公式グッズを集めたポップアップストアが、池袋パルコにて開催中。
PGS MOVIE TOPGUN特集 池袋パルコ本館6F PGS STORE。
開催期間は 2022年9月2日(金)~2022年10月6日(木) まで。
オンラインショップ
最後に
私にとってトップガンマーヴェリックは、遊園地のアトラクションや、コンサート(ライブ)と同じ。
「非日常」を「体験」しに行く場所。
そして泣く場所。
このまま永遠に上映してほしい!!!
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