いつも行く映画館で、フライヤー(チラシ)が置かれているスペースがある。
何気なく眺めていると、不安げな表情の女の子のアニメ絵が目に入る。
フライヤーに書かれているのは、世界的に有名なあの本のことだった。

どういう出来事なのかは知っているが、詳しくは知らない。
詳細を知るためにこの本を読むかといわれると、たぶん読まない、ゆえにこの映画にものすごく興味を持った。
あらすじ
不朽の名著『アンネの日記』を基に、日記に登場するアンネの空想の友人「キティー」の視点で描いた劇場版アニメ。
第2次世界大戦末期の1944年に未来を信じて日記を綴ったアンネの姿と、現代のアムステルダムに現れたキティーが親友のアンネを探す姿を描く。
舞台は現代のオランダ、アムステルダム。
激しい嵐の夜、博物館に保管されているオリジナル版「アンネの日記」の文字が動き出し、キティーが姿を現す。
時空を飛び越えたことに気付かないキティーだったが、日記を開くと過去へと遡り親友アンネと再会を果たす。
しかし日記から手を離すと、そこには現代の風景が広がっていた。
キティーは目の前から消えてしまったアンネを探し、アムステルダムの街を駆け巡る。
タイミング
※この映画を観たのは2022年3月
ロシアがウクライナ侵攻したのは2022年2月24日のこと。
「いま」上映しているのは偶然なのか、それとも必然なのか。
アニメーション映画でとても見やすく、とても良い映画だった。
夜9時過ぎのレイトショー。
観客が私1人だけなので思う存分 泣いた。
表現
美しい現代の描写。
恐ろしい当時の描写。
魅せる演出と表現。
美しい劇中歌とBGM。
「人物」と「人種」の描写。
恐怖の表現と描き方。
どれも本当に素晴らしい。
何度も出てくるアンネの空想。
どれも本当によく表現されていて美しい。
ラジオの中に入るという表現は描き方も発想も本当に美しかった。
ナチスが支配する恐怖を表現するおどろおどろしい色彩。
アンネの想いと夢見る生活を表現するカラフルな色彩。
現代のアムステルダムと「冬」を表現する抑えた色彩。
どれもとても美しかった。
列車、移送、選別、収容所。
それを、渡し舟と河、冥界の神ハデスに置き換えて表現する所は圧巻だ。
印象的なシーン
<中盤の印象的なシーン>
外出が禁止された夜の街
戦闘機が飛び交う音
爆弾の落下音
街中の銃声
戦火の街並みを屋根裏部屋の窓ガラス越しに隠れて見ながら「戦争が終わったら何がしたい?」と楽しそうに未来を語るアンネとペーター
BGMは『ショパン:別れの曲』
こちらはタングドラムという楽器の演奏、和音と倍音の余韻がとても美しい。
戦争とは
改めて思う。
【戦争は全てを奪う】
いつの時代もそうだ。
「大人」が『子供』を傷つける。
戦争 、難民 、人種差別、民族差別など、いまもずっと続いている。
世界中の紛争地帯から逃げてきた難民が殺到するヨーロッパの現状。
重要なのは【アンネと同じ悲しみを子供たちにさせない】ということ。
最後に
2022年3月16日 現在。
ロシアとウクライナで戦争をしている。
故郷を離れなければならな大勢の人。
字幕なので難しいかもしれないけど、子供たちにこの映画を観てほしいと思った。
戦闘・戦争を題材にしたゲームがたくさんあり、近年のグラフィック技術が向上して現実と見分けがつかなくなるほど再現・表現され、死と闘うことがとても身近なモノになっている今、戦争と戦争がもたらすものについて知ることができるのでは…そう思った。
「アンネの日記」は1947年に初出版。
ユネスコによって『世界で最も読まれた10冊のうちの1冊』に挙げられ、2009年には『世界記憶遺産』にも登録されたノンフィクション作品。
とくに日本での人気が高く、累計発行部数がアメリカに次ぐ世界2位だとか。
2022年のいま、75周年を迎える。
アンネの時代と今の時代、何も変わっていない。
それどころか、繰り返されている。
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