大冒険映画といえば、そう、「インディ・ジョーンズ」。
1981年の第1作から始まり、2023年公開は第5作目。
実に42年もの長い間、ファンに愛され続けている作品。
実はこのインディ・ジョーンズ:シリーズ、観たことがない。
なんとなく「こういう設定だったよね」「こんなことしてたよね」は知っているが、詳細を知らない。
この映画を見る前にAmazon Prime Videoで過去作:4作すべて鑑賞。
B級感が漂うあの構成がたまらなく好きだ。
さて、初めての映画館での鑑賞はどんな体験をできるのか、楽しみだ!
※ネタバレなし
あらすじ
1944年、インディはナチスが略奪した秘宝「ロンギヌスの槍」を友人の考古学者バジルと共に奪還しようとする最中、ナチスの科学者フォラーが偶然見つけたもう一つの秘宝「アンティキティラのダイヤル」を偶然手に入れる。
時が経ち、1969年。
アメリカはアポロ計画の月面着陸を成功した最中、インディは旧友の娘ヘレナから話を持ち掛けられたことをきっかけに、かつて手に入れた「アンティキティラのダイヤル」の調査を依頼される。
同時期に元ナチスの科学者フォラーもインディに奪われたダイヤルを取り戻すべく、ナチスの残党と共に動き出そうとしていた…。
キャスト
左から、役名、俳優、人柄、人物像。
インディアナ・ジョーンズ | ハリソン・フォード | 数々の冒険を繰広げた考古学の教授にして無類の冒険家 | 現在も教鞭は取っているが生徒たちはまるで考古学に興味がない |
ヘレナ・ショー | フィービー・ウォーラー=ブリッジ | 旧友であるバジルの娘でインディが名付け親 | 金儲けのためならどんな汚い手段も平気で使う |
ユルゲン・フォラー | マッツ・ミケルセン | 元ナチスのロケット科学者 | 科学に傾倒しておりヒトラーの求める神秘的な力には懐疑的であった |
レナルド | アントニオ・バンデラス | インディの旧友 | 潜水士 |
サラー | ジョン・リス=デイヴィス | 聖櫃を巡る争奪戦や聖杯探索に協力したインディの友人でエジプトの発掘屋 | 中東戦争で犠牲になりかけたところをインディに助けられ現在はアメリカに移住している |
バジル・ジョー | トビー・ジョーンズ | インディとは旧友であるイギリスの考古学者でヘレナの父親 | インディからは「バズ」と呼ばれる |
テディ | イーサン・イシドール | ヘレナの相棒の少年(ストリートチルドレンのスリ) | ヘレナからスリを働いたが捕まってしまうもそれ以降パートナーとして一緒に活動する |
クレーバー | ボイド・ホルブルック | ナチスの残党でフォラーの右腕 | メイソンに事を荒らげないよう忠告を受けるが平気で無視して平然と人殺しを行う |
ウェーバー大佐 | トーマス・クレッチマン | フォラーの元上司だったナチスの大佐 | 序盤でインディと対峙する |
メイソン | シャウネット・レネー・ウィルソン | CIAの捜査官 | フォラーのお目付け役として彼らに同行する |
ハウケ | オリヴィエ・リヒタース | ナチスの残党でフォラーの部下 | 巨体の男 |
マリオン・レイヴンウッド | カレン・アレン | インディの妻 | ある事情からインディとは… |
ポンティマス | マーク・キリーン | 兵士 | |
アルキメデス | ナセル・メマルツィア | 天才科学者 |
上映映画館
イオンシネマ:越谷レイクタウン
今回の映画館は、埼玉県越谷市にあるイオンシネマ。
なぜここなのかというと、2023年7月14日より「IMAXレーザー」が導入されるのだ。
IMAXレーザー
IMAXは3種類。
- IMAXデジタルシアター
- IMAXレーザー
- IMAXレーザー/GTテクノロジー
IMAX3種類の違いについては、こちらの「トップガンマーヴェリック IMAX(4回目)」記事にて。
私は「TOHOシネマズ」「シネマサンシャイン」「ユナイテッドシネマ」でIMAX3種類すべてを体験している。
イオンシネマのIMAXは未体験、今まで体験したIMAXとどう違うのか、知りたくなった。
2番スクリーン:IMAXレーザー
通路を歩きながら壁を触る。
壁の材質がやわらかい、スポンジにような弾力。
この素材は音を吸収するのでは?
席に座ると、ざわめきなどの音が響いていないのが分かる。
座席:H列 – 17
今回の座席はここ。
本当はもう1列後ろの「 I 列 – 17 」を確保したかった・・・残念。
意外と前列との段差が少ない。
今回は前列に観客がいなかったので視界良好だが、これだけ段差が少ないと観客の頭が視界に被って見づらいだろうと思った。
前列のシートの頭の部分が、私が座った状態で胸の位置にある。
座席が音を遮るので、この位置よりも下に音は来ない。
前列との段差がもっとあれば、音が下に来るのに残念だ。
シリーズ5作の時代設定
第1作目「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の時代設定が1936年。
第2作目「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」の時代設定が1935年(1作目の前日譚)。
第3作目「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の時代設定が1938年。
第4作目「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の時代設定が1957年。
第5作目の今回が1969年、時代設定でも33年の月日が経過している。
インディは「プリンストン大学で教鞭を執る高名な考古学者」、第1作目を30代後半~40代前半と考えると、第5作目ではハリソン・フォードの実年齢に近い70代になる。
インディ・ジョーンズと共に年齢を重ねるハリソン・フォード、とても感慨深い。
プロローグ:1944年
1944年、日本だと昭和19年、世界的に第二次世界大戦の真っ最中。
日本は1945年に終戦を迎えている。
映画「大脱走」こちらの時代背景が近しい。
1944年だと、第3作と第4作のあいだになるので、インディは40代中盤~後半あたりの年齢だと推測。
しかし、実際のハリソン・フォードは制作時には70代、どうやって若かりし頃のインディを撮影したのか。
それは「VFX技術」を駆使して、若いインディを撮影したのだ。
VFX技術(ディエイジング)
ディエイジングとは、映画などの特殊効果で「高度なコンピューターグラフィックスにより俳優の容姿を若返らせるVFX技術」のこと。
この技術により、若いインディが再現されている。
作中の若いインディの動きはとても滑らかで映像も綺麗だが、時々インディがボヤけるというか、ぼかしエフェクトかかってるようなインディになるのがとても惜しい。
VFX | 「ビジュアル・エフェクツ」の略 | コンピュータで作られた映像を実際に撮影した映像と組み合わせたもの |
CG | 「コンピュータ・グラフィックス」の略 | コンピュータを使って作られた映像のこと、何もない空間の背景にグリーンやブルーの背景色を作って合成する「グリーンバック(ブルーバック)」と呼ばれる撮影もCG |
SFX | 「スペシャル・エフェクツ」の略 | 「ワイヤーアクション」や「特殊メイク」「ミニチュア撮影」などの現実のものに対して効果を施すもの |
ナチス VS インディ
話は戻って、若かりしインディとナチスが「ロンギヌスの槍」争奪戦が勃発。
ナチスに捕らわれたインディが逃亡、爆走する列車の中で大暴れ。
そんな中、ロンギヌスの槍よりも重要な「アルキメデスが発明した【アンティキティラのダイヤル】」を発見する。
ダイヤルを廻って激しい銃撃戦、爆走する列車、そこかしこで爆発。
あらゆる爆音が四方八方からドッカンドッカンと鳴り響く。
テンポアップなBGMも相まって、音の振動が凄まじい。
爆音は体の内側からビリビリと痺れさせる、音の波動と振動の大洪水。
これだよこれ!映画の音響は体感しなくちゃ!
時は流れ1969年へ
ソファからモソモソと起き上がるインディ、年齢を重ねて「おじいちゃん感」が前面に出ている。
と、突然爆音で響き渡る曲。
ビートルズ:マジカルミステリーツアー
大のビートルズファンの私、一気に心拍数が駆け上がる。
インディが住むマンションの一室で、若者が爆音で音楽を流している。
何事かと苦情を言いに行くインディ、部屋の中では大勢の若者たちがお祭り騒ぎ。
理由は「アポロ11号:月面着陸」を祝うパレードが行われることによる狂喜乱舞だった。
1969年の日本(昭和44年)
- 「クイズタイムショック」が放送開始
- 東大安田講堂攻防戦により東京大学の入学試験が中止
- 日本専売公社(現・日本たばこ産業)がチャコールフィルター使用の「セブンスター」を発売
- 小林製薬が「ブルーレット」を発売
- コンドーム自販機の登場(大阪市、高槻市、豊中市に設置)
- 「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)創刊
- 箱根 彫刻の森美術館開館
- TBS「水戸黄門」放送開始
- 松竹映画「男はつらいよ」(渥美清主演・山田洋次監督)公開
- 宇宙開発事業団(NASDA)発足
- TBS系でザ・ドリフターズ出演の公開バラエティ番組「8時だョ!全員集合」が放送開始
- 住友銀行(現・三井住友銀行)が新宿支店・梅田支店にキャッシュカードでいつでも現金を引き出せる日本初の現金自動支払機(ATM)を設置
- 1969年の音楽
- 1969年のテレビ (日本)
- 日本のテレビアニメ作品一覧 (1960年代)#1969年(昭和44年)
大学の考古学教授:インディ
ハロウィンのように賑わう地下鉄に乗って大学に通い、やる気のない生徒に考古学を教える日々。
もはやそこには、世界を股にかけて宝探しに奔走した冒険家の姿はない。
サプライズでお祝いを受けるインディ、これは定年退職なのかな?
そもそもインディは、過去に取り憑かれていた男。
アークだの聖杯だの歴史的遺物に固執し、未来に進むことなく過去だけに生きてきた。
冒険に心躍らせていた過去は遠く、いま目の前に広がる現実はとても厳しいものだった。
そんなインディの前に若くて美しい女性:ヘレナが現れてから一変する。
追うインディ・逃げるインディ
怪しげな男たちから全力疾走のインディ。
月面着陸&宇宙飛行士帰還パレード真っ最中の街を「馬」で爆走するインディ。
オートリキシャで街中を爆走するインディ。
一触即発の末に船で爆走するインディ。
モブ扱いが雑
観ていて気になったのが、脇役などのモブキャラが大勢死ぬこと。
いままでのインディシリーズでは、こんなにいっぱい死ぬことはなかった気がする。
え、あの人を死なせるの?とか、通行人やら協力者やらがやたらと死ぬ。
こういったところがコメディ感を消している気がする。
インディといえば洞窟
観光地化した洞窟の奥に、アルキメデスの墓があるという。
さまざまなアイテムから読み取ったヒントを駆使して、その場所へと向かう。
このあたりの展開は、インディ・ジョーンズ:シリーズならではの見どころ。
ウジャウジャしてるところとか、古代の仕掛けとか、九死に一生を得るところとか、ファンの心をくすぐる。
小さな相棒:テディの活躍
ヘレナの相棒:テディの活躍っぷりがすごい。
第2作目「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」の少年:ショート(キー・ホイ・クァン)の立ち位置に近い。
インディを助けたり、敵に捕まったり、操縦したり。
操縦に関しては、それはムリがあるんじゃないかい?という点があるが、そこはスルーしよう。
トレードマーク:フェドーラ帽
インディの必須アイテムといえばこれ、フェドラー帽。
この映画でもフェドラー帽が重要アイテム。
ムチと帽子あってのインディ。
インディあってのフェドラー帽、フェドラー帽あってのインディ。
この意味が分かるのは、最後のシーンにて。
インディ・ジョーンズのテーマ曲
この曲を映画のフル音響で聴けたことに大変感動した。
まるでオーケストラを聴いているよう。
目を閉じると、1981年から2023年までのインディ&数々の冒険がよみがえってくる。
最後に
今回も笑いどころのあるB級感満載の作品なのかな?と思ったら、とてもシリアスな作品だった。
笑いどころは、ほぼ無いに等しいと感じた。
冒険もののアクションコメディではなく、アクションシリアス。
名作と言われるインディー・ジョーンズ:シリーズを映画館で鑑賞できたことがとても嬉しい。
特にインディのテーマ曲を映画館音響で聴けたことに感涙した。
大人気シリーズの完結という歴史的瞬間に立ち会えたことに感激。
これだから映画館での鑑賞はやめられない。
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