高校生になると、中学生のころよりも髪型の選択肢が増え、「こんな髪型にしてみたい」と思うことも多くなります。
その一方で、高校には髪型についての校則があり、学校や学科、部活動によって決まりが異なります。
たとえば、次のような決まりです。
- 前髪は目にかからない長さにする
- 髪が耳にかからないようにする
- えりあしが制服の襟にかからないようにする
- ツーブロックや刈り上げを禁止する
希望する髪型が校則に違反しないか心配なときは、カットする前に学校へ確認しておくと安心です。
この記事では、校則の範囲で希望する髪型に近づけるために、床屋さんでどのようにカットを頼めばよいのか、現役理容師がわかりやすく解説します。
学生証・生徒手帳の提示
学生証・生徒手帳の提示
中学生までは義務教育のため、当店では生徒手帳の提示を求めていません。
中学生は生徒手帳を持ち歩いていないことも多いため、お客様からの申告をもとに中学生料金で施術しています。
一方、高校は義務教育ではありません。
一般的に15歳から18歳くらいまでは高校生にあたる年齢ですが、同じ年齢の人が全員、高校へ通っているとは限りません。
学生料金は、年齢による割引ではなく、学校へ通っている学生を対象とした料金です。
たとえば16歳であっても、高校などの学校へ通っていなければ、学生料金の対象にはなりません。
お店によっては、学生証や生徒手帳など、在学していることがわかるものの提示を求められる場合があります。
学生料金を利用するときは、学生証や生徒手帳を持参すると安心です。
学生ではない人が、学生であると偽って学生料金を利用することは、不正に割引を受ける行為になります。
部活動による髪型の決まり
高校生は、学校の校則だけでなく、所属する部活動によって髪型に決まりがある場合もあります。
たとえば、髪の長さや刈り上げの高さ、整髪料の使用などについて、部活動独自の決まりが設けられていることがあります。
希望する髪型が決まりに違反しないか心配なときは、カットする前に顧問の先生や先輩へ確認しておくと安心です。
以前は「高校野球部といえば丸刈り」という印象がありましたが、現在は丸刈りを必須としない野球部も増えています。
日本高等学校野球連盟と朝日新聞社が行った調査では、丸刈りを決まりとしていた野球部は、2018年の76.8%から、2023年には26.4%まで減少しました。

わずか5年で、約4分の3から約4分の1へ。
高校球児の髪型に対する考え方が、大きく変化していることがわかります。
ただし、髪型の決まりは部活動によって異なります。
野球部だから必ず丸刈り、または自由だと判断せず、自分が所属する部活動の決まりを確認してください。
丸刈りにする場合は、「坊主にしてください」だけでなく、「頭全体を6mmにしてください」など、希望するバリカンの長さも伝えましょう。
坊主の長さや頼み方については〖「坊主」「ボウズ」「スキンヘッド」の違い|理容師が頼み方を解説〗で詳しく解説しています。
「どのくらい切りますか?」と聞かれたら
カットを始める前に、床屋さんから「今日はどのくらい切りますか?」と聞かれます。
希望する髪型が決まっていても、どのように答えればよいのかわからないことがありますよね。
「短めにしてください」
「サッパリしてください」
と伝える人も多いですが、短いと感じる長さは人によって異なります。
また、「1センチ切ってください」など、センチで長さを指定する方法も、意外と仕上がりを想像しにくいものです。
一度の言葉ですべてを伝えようとしなくても大丈夫です。
前髪・トップ・耳まわり・うしろ・えりあしのように、頭をパーツごとに分けて考えると、希望する長さを伝えやすくなります。
高校生の場合は、希望する髪型だけでなく、校則に違反しない長さも考えながら伝えましょう。
頭のパーツごとに分けて伝えてみよう
頭を次の5つのパーツに分けて考えてみましょう。
- 前髪: 眉が見える長さ、目にかからない長さ
- トップ: 立たない程度に残す、セットできる長さを残す
- 耳まわり: 耳にかからない、耳を出す
- うしろ: 全体の長さに合わせて整える
- えりあし: 制服の襟にかからない長さ
すべてを細かく決める必要はありません。
とくに希望がある部分や、校則で長さが決められている部分から伝えてください。
前回と同じ髪型にしたい場合は、
「前回カットしたのは1か月前です」
「伸びた分くらい切ってください」
と伝える方法もあります。
前髪・トップ・耳まわり・うしろ・えりあしの詳しい頼み方は、下記の記事でフローチャートと画像を使って解説しています。
どんな髪型があるのか調べてみよう
高校生に人気の髪型は、時代とともに変化します。
以前はソフトモヒカンやジェットモヒカンをよく見かけましたが、現在はマッシュやセンターパート、スパイキーショートなど、さまざまな髪型があります。
髪型の名前がわからなくても大丈夫です。
どのような髪型があるのかわからないときは、「男子高校生 髪型」と検索して、画像を見比べてみましょう。
普段のセット方法と使用している整髪料を伝えよう
普段、どのように髪をセットしていますか?
- 寝ぐせを直すだけ
- ドライヤーを使う
- ヘアーアイロンを使う
- ワックスやジェルなどの整髪料を使う
- とくに何もしていない
普段のセット方法によって、髪の長さや量の調整方法が変わります。
たとえば、ワックスを使って髪を立たせたい場合は、セットしやすい長さや毛量に調整します。
一方、普段セットをしない場合は、整髪料を使わなくても扱いやすい髪型になるようにカットします。
高校生は、校則で整髪料の使用が禁止されている場合もあります。
学校へ行く日はセットをしないけれど、休日だけワックスやヘアーアイロンを使う場合は、そのことも理容師へ伝えてください。
朝のセットに時間をかけたくない場合や、セット方法がわからない場合も、カットする前に伝えておくと安心です。
セット方法や整髪料によってカットの仕方が変わる理由は、下記の記事で詳しく解説しています。
希望する髪型の画像・動画を見せよう
希望する髪型がある場合は、スマホで画像や動画を見せてください。
髪型の名前だけで頼むよりも、画像を見せたほうが、希望する仕上がりを理容師と共有しやすくなります。
正面の画像だけでは、横やうしろの長さがわからないことがあります。
できれば、次の部分が確認できる画像を用意しましょう。
- 前髪
- 横・耳まわり
- うしろ・えりあし
- トップ
同じ髪型を正面・横・うしろから撮影した画像や、髪型全体がわかる動画があると、さらに伝わりやすくなります。
また、画像のどの部分が気に入ったのかも伝えてください。
「前髪はこのくらいにしたい」
「横の刈り上げを同じようにしたい」
など、希望する部分を具体的に伝えると安心です。
ただし、ヘアカタログやSNSに掲載されている髪型は、ワックスやヘアーアイロンなどを使ってセットされていることがあります。
パーマやカラーが施されている場合もあります。
また、モデルさんと自分では、髪質・毛量・髪の生え方・頭の形が異なります。
画像とまったく同じ髪型にできるとは限らないため、自分の髪でどのくらい再現できるのか、カットする前に理容師へ相談してください。
高校生の場合は、希望する髪型が校則や部活動の決まりに違反しないかも確認しておきましょう。
希望する髪型の画像を見せるときの注意点は、下記の記事で詳しく解説しています。
イメージチェンジ・「おまかせで」の危険性
今までとは違う髪型にしたい、思い切ってイメージチェンジしてみたい。
私たち理容師は、その気持ちを大切にしたいと思っています。
しかし、ときどき友達同士の悪ふざけで、
「おまかせにしたら面白いんじゃない?」
「どんな髪型にされるか試してみよう」
と、罰ゲームのような感覚で来店する人がいます。
「おまかせ」は罰ゲームではありません
「おまかせでお願いします」とは、髪型を決めることを理容師へすべて任せる注文です。
しかし、本当に何をされてもよいのでしょうか。
丸坊主やスキンヘッドにされても、グリングリンの強いパーマをかけられても、「おまかせ」と頼んだのだから納得できるでしょうか。
おそらく、多くの人には
「これは嫌だ」
「ここまで短くしたくない」
という希望があるはずです。
それなら、完全な「おまかせ」ではありません。
理容師は、お客様がどのような髪型を嫌だと感じるのか、言葉にしてもらわなければわかりません。
おまかせで頼む場合でも、次のような条件を伝えてください。
- 短くなりすぎるのは避けたい
- 前髪は眉より短くしたくない
- 刈り上げにはしたくない
- パーマやカラーはしない
- 朝のセットに時間をかけたくない
- 校則や部活動の決まりを守りたい
髪は一度切ると、すぐには元の長さに戻りません。
友達の悪ふざけや、その場の勢いだけで決めず、自分が納得できる髪型を理容師と一緒に考えましょう。
動画の「おまかせ」もカウンセリングをしている
美容師さんのショート動画で、お客様が「何もわからないので、おまかせでお願いします」と頼み、別人のように変身する様子を見たことはありませんか?
動画だけを見ると、「おまかせ」と伝えただけで、美容師さんが似合う髪型を判断し、すぐにカットを始めたように見えるかもしれません。
しかし、実際にはカットを始める前に、細かくカウンセリングをしています。
たとえば、次のような内容です。
- 前髪を上げるのか、下ろすのか
- 眉や耳を出してもよいか
- どのくらい短くしてもよいか
- 刈り上げにしてもよいか
- 普段どのようにセットしているか
- 整髪料を使用するか
- 絶対に避けたい髪型はあるか
ショート動画では、カウンセリングの場面が短く編集されていることがあります。
そのため、動画を見た人には、「おまかせと伝えるだけで、似合う髪型にしてもらえる」という部分だけが印象に残りやすくなります。
しかし、動画に映っている美容師さんも、お客様の希望や生活習慣を確認したうえで髪型を決めています。
「おまかせ」とは、何も話さなくてよいという意味ではありません。
おまかせで頼む場合でも、理容師からの質問に答えながら、仕上がりの認識を合わせることが大切です。
イメージチェンジや「おまかせ」で頼むときの注意点は、下記の記事で詳しく解説しています。
髪を伸ばしている・似合う髪型がわからないとき
髪を伸ばしている途中は、長さや量のバランスが悪くなり、髪型がまとまりにくくなることがあります。
そのようなときも、床屋さんへ相談してください。
伸ばしている部分を切らずに残し、不要な部分だけを整えながら、全体のバランスを調整することができます。
カットを始める前に、次のことを伝えましょう。
- どの部分を伸ばしているのか
- 最終的にどのような髪型にしたいのか
- 切りたくない部分はどこか
- 校則で決められている長さ
- 普段セットをするか
目指している髪型の画像がある場合は、理容師へ見せてください。
現在の長さから、どの部分を伸ばせばよいのか、途中でどのように整えていけばよいのかを相談できます。
また、自分に似合う髪型がわからない場合も、遠慮せずに相談してください。
髪質・毛量・髪の生え方・頭や顔の形、普段のセット方法などを確認しながら、できる髪型を一緒に考えます。
ただし、理容師が考える「似合う髪型」と、自分がしてみたい髪型が同じとは限りません。
「前髪は残したい」
「刈り上げにはしたくない」
など、希望する部分や避けたい髪型も伝えてください。
校則の範囲で、自分が納得できる髪型を理容師と一緒に探してみましょう。
髪を伸ばしているときや、似合う髪型がわからないときの相談方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
できる髪型・できない髪型
芸能人やスポーツ選手、アーティストなどの髪型を見て、「同じ髪型にしてみたい」と思うことがありますよね。
希望する髪型の画像を理容師へ見せることは、仕上がりの認識を合わせるために、とても役立ちます。
しかし、画像とまったく同じ髪型にできるとは限りません。
髪型の仕上がりには、次のような違いが関係します。
- 現在の髪の長さ
- 髪質や毛量
- 直毛・くせ毛
- つむじの位置
- 髪の生える方向
- 頭や顔の形
- パーマやカラーの有無
- 整髪料やヘアーアイロンによるセット
たとえば、画像の髪型に必要な長さが足りなければ、すぐに同じ髪型にはできません。
髪を伸ばす、パーマをかける、セット方法を変えるなど、希望する髪型へ近づけるための準備が必要な場合もあります。
また、高校生は技術的にできる髪型であっても、校則や部活動の決まりによってできないことがあります。
希望する髪型が難しい場合でも、すぐに諦める必要はありません。
どの部分なら再現できるのか、自分の髪質に合わせてどのように変えればよいのか、理容師へ相談してください。
現在の髪の状態と校則の範囲で、希望する髪型に近づける方法を一緒に考えましょう。
できる髪型とできない髪型の違いについては、下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ|校則の範囲で好きな髪型を楽しもう
高校生になると、中学生のころよりも髪型の選択肢が増え、自分の希望する髪型にチャレンジしやすくなります。
その一方で、学校の校則や部活動によって、髪の長さや刈り上げ、整髪料の使用などに決まりが設けられている場合もあります。
カットする前に、学校や部活動の決まりを確認しておきましょう。
床屋さんで「どのくらい切りますか?」と聞かれたときは、前髪・トップ・耳まわり・うしろ・えりあしのように、頭をパーツごとに分けて伝えるとわかりやすくなります。
希望する髪型がある場合は、スマホで画像や動画を見せてください。
普段セットをするのか、整髪料やヘアーアイロンを使うのかも伝えると、自分の生活に合った髪型を提案してもらいやすくなります。
イメージチェンジをしたいときや「おまかせ」で頼みたいときも、何も伝えずに理容師へ丸投げするのではなく、残したい部分や避けたい髪型を伝えましょう。
画像とまったく同じ髪型にできない場合でも、髪質や毛量、現在の長さに合わせて、希望する髪型へ近づける方法を一緒に考えることができます。
学生料金を利用するときは、学生証や生徒手帳を持参すると安心です。
校則の範囲でも、楽しめる髪型はたくさんあります。
わからないことや不安なことがあれば、カットを始める前に理容師へ相談してください。
自分が納得できる髪型を見つけて、高校生活を楽しみましょう。







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